2023年4月29日土曜日

新しい混浴「だれでも温泉」、ユニバーサルデザイン SDGs

強欲な温泉開発による源泉枯渇の苦悩が全国に広がる中、福岡県筑紫野市の特定旅館の件で日本の温泉は「ドル箱」からオワコンの棺桶に進み始めた。
コロナ禍以前の「外国人タトゥーへの排除ルール問題」でさえ、日本の温泉や銭湯の業界は改善を求められていた。
カルチャーギャップの解決に関しては、平等を謳う現代社会の中で重要である。
さらに、いわゆる安全神話と性善説というものが、年々、日本国内から失われてゆく中で、回転寿司店の客の行為に端を発する「客のマナー違反行為」への不安が、温泉業界にも言えなくはない。
2022年、銭湯の女子更衣室に、悪意のある男が、女を使わせて盗撮目的のカメラを設置する事案もあった。
客による悪事はもとより、店による悪事としても、福岡県筑紫野市の特定旅館の安全管理上の問題と虚偽報告の方法が、他のところでも行われうる。
もともと、オストメイト(人工肛門、人工膀胱、ストーマ用装具をつけている)など自身の身体的特徴から人目を気にする人や、衛生面で敏感な人は、公衆浴場やプール施設を使いたがらないことと私は察するが、これらの事案から、日本人のかなりの人の間で、公衆浴場やプール施設の利用について、忌避せずとも最大限警戒する心理が生まれたに違いない。

私もおそらくは後天的なHSPのようなもので、そうそう公衆プールなどを利用したいと思わない(アイススケート場はよい)。
そもそも温泉であれ、沸かし湯であれ、私自身、個人的な娯楽で利用するつもりも、何か複数人で遊びに行くつもりも、湯治で利用するつもりも無かったりする。
また、最低限度の生活水準に、どうしてもバスルームが必要だと思い、部屋探しでは当然、3点ユニットバス(一般的には嫌われる種類のバスルーム)くらい備わっているものを求めた。
風呂なし物件に住んで日常的に銭湯を使うというのは、「裸の付き合い」とやらを上乗せしてそこに天秤が傾かない限り、ランニングコストもかかるし、洗濯桶での手洗い洗濯さえしづらくなってしまうので好ましくない。



今回は、日本の温泉業界のオワコン化を遅らせるために、できる限り多くの人が安心して利用しやすい、新時代の混浴風呂を提案する。
ドル箱が棺桶に変わりつつある現状、早い段階で「あらゆる人を乗せられる大きな船」に変わるものが1つでもあれば、まずは応援したい。


※記事投稿日現在、「日記メモなど投稿不能方針」下にある。


新時代の混浴風呂の提案:

・主役の天然温泉や露天風呂などを混浴にし、LGBT 特にトランスジェンダーに不親切な男女差別式(男湯、女湯を分ける性差別)からの転換を果たす
;バスタオル必須かと思われそうだが、化学的に安定な材質(幅広い泉質に対応した耐熱性、耐水性、耐薬品性)の水着などを推奨する方式。義務化でよいくらい。温水プールとノリは近いが、遊泳禁止。
;水着の着用について、参考までに記したいことがある。近年だと、小学校などで体型の目立たない水着やユニセックスデザインの水着が授業で着用されることが認められてきている。授業の目的を遂行するのに差し障りがない限り多様な水着を認めることは、一種の合理化である。男女の区別のしやすいものは、学校教育現場においてすら、ナンセンスになりつつある。体型の目立たない水着が買いやすくなれば、オストメイトも公衆浴場、プールをもっと利用しやすくなる。「締め付ける水着で入浴するのは楽しくない」といった感覚は、ジェンダーレスでコンフォートな水着である限り、薄れると思う。全裸での入浴にこだわる人は、個人用、世帯用(家族、ファミリー向け)または貸し切りにして。

・会員制だと、いたずらの監視などを目的に、利用状況が管理しやすい

・水着必須にした上で、浴場部分(プール部分)などで、防犯目的の監視カメラ設置を徹底する
;大多数の人は、水着の状態で監視カメラがあっても、気にすることはない。

・シャワーはパーテーションによるブース、またはシャワールーム
;男性100人以上を収容する生活保護更生施設の2つを私は見たが、そこでは、入浴の場所が大浴場であり、それ以外の選択肢がないものの、シャワーの両手にパーテーションがあった。後ろはガラ空き、前は壁になる。30人未満の宿泊施設のほうは、少人数だからか定かでないが、シャワー周りにパーテーションが無かった。シャワーさえ利用したがらない人がいては衛生上の懸念など、施設の運営に支障が出てしまう。宿泊施設では、誰も浴場を利用する者がいないときに浴場を利用したいという者が何人かいた。
;水垢などの掃除の手間あり。人手によっても、技術によっても、解決(ソリューション)に金がかかりそうなのは、ネックになる。



2022年12月26日21時29分 撮影動画のフレーム2つ。
30人未満の宿泊施設(生活保護)の浴室で、パーテーションなし。





ユニバーサルで、リベラルな温泉なので、業界関係者は嫌悪しそうである。
彼らの心理的なウェイトは、「おもてなし」とされる独特なビジネススタイルにあり、顧客の多様性への配慮とその応援は二の次である、としてコロナ禍以前から批判を受けてきた。
タトゥー排除は、その槍玉に上げられていた。
本当にホスピタリティとしてのおもてなしをするならば、やはり時代のニーズや民主的努力を蔑ろにはできない、と私は思っている。

おそらく料金が高いし、ホテルや旅館であれば宿泊費に上乗せされる。
そもそもが、単体の温泉施設のようなものが、小回りがきくので、やりやすい。
センスのある異業種の事業者が、強い投資の意図で新設する、とかでないと始まらなさそうなことである。
だいたい私の提案は、未来学的なので、メタファッション記事のいくらかのことと同じく、遅かれ早かれ実現されることを予見したものである。
つまり、私が実現させようとするものではない。
実現の例があったところで、普及や定着までするということではないが、私としては普及してもらいたい。
過去、エデンの園に比較されるような裸ん坊でどうのこうの、というのは、現代に通じるなどと私は思っていないので、海外の先進諸国に事例がありそうだと思っている。

公衆浴場 (public bathing) の温水プール化。

福島県いわき市、スパリゾートハワイアンズは、ノーコメント。

ハンガリーの首都ブダペストに点在する、オスマントルコ様式の背景を持つ施設を模倣することを推奨していないが、参考までに。
それらは、天然の湧出温泉プールであり、水着必須。
https://en.wikipedia.org/wiki/Category:Thermal_baths_in_Budapest (Rudas fürdő など)



私がトランスジェンダー女性だからといって女湯に入りたいとか、そういう話をしたいのではない、とお分かりいただけただろうか?
セキュリティに優れたものでやらないと、結局は例の盗撮事件の手法、その他のマナー違反行為が横行しやすくなり、治安上もよくないから、「誰でも温泉」とか「誰でも銭湯」というラベルのもとに具体的なモデルを提案した。
この具体的なモデルのみならず、「できる限り多くの人が安心して利用しやすい、新時代の混浴風呂」を追求することが広まってほしい。
オストメイトなどの身体的特徴から、自身への人目を気にする人たちのことも考えてあげて。



備考

トイレ(WC, 化粧室)に関しても、いくらかの人たちが、座って用を足す便所(便座、大便器)を利用したいのに、または、鏡を見たり、手を洗いたいのに、男女分けをされると、旧来からのジェンダー観によって悩まされてしまう。
※以前も記録したが、某コンビニで男性外見人物が男子トイレの混雑時、店員から、女子トイレに入ることを許されていた。そこまでは普通のことである。
身体的性別とは他方のトイレ領域に入ると、それだけで不審者としてマークされることは好ましくない。
ちなみに私は、小便器(立って用を足す便器)を利用したいと思わない。

合理的配慮ということで、任意の自治体は、オールジェンダートイレを、公共施設に設置することを検討している。
最終的に小便器のないトイレルームのジェンダー区分(いわゆる女子トイレ、女性トイレに相当する)を廃止するところまで進むかは、見透せない。
※今年、竣工して開業した「東急歌舞伎町ビル」というもので、「ジェンダーレストイレ」の名で同様の方法がすでに行われているとのこと。
今どきだと、男子トイレでもサニタリーボックスを置く声が強いし、ジェンダーレス気味である。
ひとまず、アンコンシャスバイアスが無くなるとよいのだがね。
法律「公共の福祉」に反する悪いことをしたら悪い、それだけのこと。

※現実、今の街中では、ふつうに痰を吐き散らす男性外見人物が多い。既婚に見える(ただしみすぼらしい)人が、女性外見人物と雑談して歩きながら塀に唾を吐く、という光景すら見られてしまう。「女性の権利」というよりは、やはりただ単に、そういう公共の福祉とか公序良俗に反する行為が嫌なだけである人は、身体的性別に関係なくいる。そいじゃ、しばらく私は、トランスジェンダー女性として生きるね。

公衆浴場にしても公衆トイレにしても、いつの日かジェンダーレスが定着した場合、「衛生的、高額、気にする人用」、「不衛生、低額、気にしない人用」のような棲み分けがされるかもしれない。
その新しい分断と社会的変化と価格転嫁のせめぎ合いで、孤立する人が増えてもアレだから、慎重さが求められている。



性犯罪などを防ぐセキュリティとともに、便利さを保ちたければ、「気にする人用トイレ」に近距離無線通信 NFC のうち、ISO/IEC 15693みたいな長めの距離で利用可能なものを採用し、利用者の個人情報管理を厳格かつスピーディに行う方法を私は考えている。
将来、スマートフォンやマイクロチップに搭載するRFIDで「長めNFC」が普及してからの想定である。
「長めNFC」RFID搭載端末(人体に埋め込むマイクロチップ推奨)に、「気にする人用トイレ」利用者情報を入れることが求められる?
高速道路のETCや駅の改札みたいなフリーゲートシステムの改良版ということで、漏れそうな人でも支障なく通過できる。
これならば、私みたいにリベラルで、ニュートラルで、メトロセクシャルで、未来志向で、技術に理解のある人たちがトイレやお手洗いの目的を正しく行いやすい。






起草日: 2023年3月4日

常々、思うが、世間の物事について「好きにやられていればいいが、現に苦痛に思う人、弱き者の心情を考慮できないで運用される限り、上下左右の人々の離散の方向にしかならない」と私は確信している。
特に、現代ほど情報の入手の幅が上流も下流も互いの声を含めてあまり変わらないものとして広ければ、感受性の高い人は、多くの種類の同情の心を抱くことになる。
私としては、それであっても大した意味を感じなくなりつつある。
やるべきことが多すぎており、それでもライフワークだからと記事を書いている。


軽く次回予告になるが、こういう最近の日常生活の感情から、値上げ、単価上げということも好きにされればよいと思っている。
鉄道オワコン化記事のほうで、ホームドアの賛否を記したが、ホームドア設置とか警備強化とかも、ダイレクトに価格転嫁、単価上げに繋がるものである。
人々年々センシティブ、エフォートレス、かつヘヴィマネジメントだから、多くの人の安心な生活に、こういう価格転嫁の伴う対応は不可避である。
一方で、少数は、昔と同じで「危険性」を気にしないから、「余計なこと、神経質だ、価格下げろ」と感じてしまう。
通信業の金融性ということで、通信業に消費者科学のメスを入れる。
情報通信技術は、特に弱者取り残しのおそれがあり、次回の記事ではその一因として疑わしい点を闡明する。