2021年6月4日金曜日

調と性格: A440調性格、現代ポピュラー音楽キーの印象

Dメジャー (D major, ニ長調) は「癒し、青春、青空、青い海」!?Cメジャー、Fメジャー、Gメジャーは「安心」!?


以前の記事では、マッテゾンら著者による古典的な「調の性格論」が任意の時代の任意の調律に基づいて作曲された特定の曲例に基づく、「曲の目録」を暗示したものと理解が示された。
そこでも今でも、当該の性格論を具体的な曲例に対照させる作業を私はしていないが、そこでは、現代であれば現代なりに調の性格論を構築できるという僅かな可能性が示された。
私は改めて、私の管理楽曲と僅かな有名楽曲とで、基準のピッチA = 440 Hz (ヘルツ) と十二平均律=最も現代に普及している調律に依拠した調の性格論を披瀝したい。

以前の記事、同シリーズ:
2020年5月5日投稿『調と性格: 導入編 (2019年10月8日起草、2020年5月3日移植)』https://lesbophilia.blogspot.com/2020/05/key-and-character.html
2020年7月12日投稿『調と性格: シャルパンティエ&マッテゾン&シューバルト本文翻訳編』https://lesbophilia.blogspot.com/2020/07/key-and-character-translation.html

シリーズのうち、本文翻訳編で当記事のテーマに近い話題が示されている。:
基準のピッチ 440 Hzの現代的なポピュラー音楽で、一例としてニ長調 (D major) は静かな状態の水のある場所(昼~夕暮れ)に合うような情緒があった。
本文にも趣旨が記される通り、結局は私の認知する曲例 (管理楽曲識別番号: 926, 954) に依拠した感覚である。
他に、ニ長調 (D major) はポピュラー路線のロック系の青春のような雰囲気に合う、この情緒もギターで一般的なEADGBEスタンダード・チューニング(またはドロップDチューニング)が関係する曲例 (管理楽曲識別番号: 11, 49, 341, 651, 807, 820)に依拠した感覚である。

その後、サンプリング音源とピッチ調整の仕組みを持ったデジタル作曲環境 DAW における問題性を示したが、これに関しては調の性格に著しい影響を与える可能性を考える必要が無いし、有れば後々の話になろう。
サンプリング音源が苦手な方は、ご自分でグランドピアノやアコースティックギターやエレキギターなど、実際の楽器の音(エレキギターは物理的な音を電気の増幅器–アンプやエフェクターなどで変えるに過ぎず、源–ソースはアコースティックなものなので問題なし;ローズ・ピアノ Rhodes のエレピも同様だがモーグ Moog などシンセサイザーは電気回路で最初から音を出力していてエレキギターと異なる)でメロディのフレーズを鳴らせばよい。



キー、調に関してはここで詳述しないが、楽器を演奏する人にとってはある程度、その人の弾きやすさなどで好みが出るかもしれない。
デジタルピアノとしての電子ピアノ(PCM音源などのサンプリング音源またはシンセサイザーやFM音源を用いる)を用いて移動ド作曲/演奏をする人は、トランスポーズで「キー n個分」上げるか下げるかで捉えてよい。
C = Am が±0になるが、E = C♯m が+4であり、B♭ = Gm が-2であると簡単に決まっている。



当記事での調の表記とトランスポーズ対照の表

あらかじめ、E♭ と Eb のような表記ゆれや混交を示すために、この表を載せる。
後者の方が文字コード対応の多さと入力のしやすさで優っているが、正統的でない上に、小文字bはその大文字Bが調の名でもあり(音楽記号♭と♯が歴史上は音高Bの扱いから来るという話はここで割愛)、できれば♭と♯の専用の領域の文字を扱いたい。
C と Am が0であるように、トランスポーズ時の数値が同じであるものが、全音階で同じ構成音である平行調 (並行調 relative key) である。
ピアノの白鍵と黒鍵とが全音階–ダイアトニックスケールを示す場合、その数値でトランスポーズするとその調の音階の構成音に等しくなる。
当記事では、平行調どうしの調を、等号–イコールの記号で繋いで表記することが多くなる。

Keys (調)alt.和名トランスポーズ時の数値
C-ハ長調0
Cm-ハ短調3
D♭Db変ニ長調1
C♯mC#m嬰ハ短調4
D-ニ長調2
Dm-ニ短調5
E♭Eb変ホ長調3
D♯m/E♭mD#m/Ebm嬰ニ短調/変ホ短調6, -6
E-ホ長調4
Em-ホ短調-5
F-ヘ長調5
Fm-ヘ短調-4
F♯/G♭F#/Gb嬰ヘ長調/変ト長調6, -6
F♯mF#m嬰ヘ短調-3
G-ト長調-5
Gm-ト短調-2
A♭Ab変イ長調-4
G♯mG#m嬰ト短調-1
A-イ長調-3
Am-イ短調0
B♭Bb変ロ長調-2
B♭mBbm変ロ短調1
B-ロ長調-1
Bm-ロ短調2



A440調の性格論

以下から、A440調の性格論に関して私の見解を例示する。
これに際し、掲載内容の見方について簡単に説明する。
調とその性格を表示する見出しの後に、数字が書かれるが、これは私の保存楽曲識別番号である。
その番号のある曲(ただしその番号と同時に私が曲を公開していることは極めて稀)は、その調であるか大半の部分がその調である曲例である。
その下の ex, で始められる行は、見出しに言う性格の「例外」(ラテン語前置詞 ex に由来、英語 except でも可能;個人的な発想)の同じ調の曲例である。
ex, 曲例は、その中で異なる性格であればコンマ (,) で区切っているが、説明の言葉がついてある限りであり、ついていないどうしではコンマで区切らない。
過去記事および今後の記事でも、同様の表記がされるか、せいぜい保存楽曲識別番号が示されているので、このように読んでいただきたい。
その番号のある楽曲群には:商業的な大衆音楽としてリリースされておらず、20年以内に、日本国内で作られたものである、という共通点がある。

空不問の都会や癒しや青空 D♭=B♭m (短調の場合は少し変わる)
104 107 109 126 151 170 230 241 435 439 467 524 599 630 635 732 735 753 759bar49 765 768 791 795 807 855 926 953;
ex, ClDeLuneを含む月系161bar59 506 587 Lunari-bar40, 350 385 499 619 662 946;
cf., 89(Bm, 都会) 99(Bm, 月) 135(Bm, 都会) 392(Bm, 月) gdo14 gdo32 gdo35;

癒しや青春や青空や青い海 D=Bm (短調の場合は少し変わる)
1 11 63bar29(元ネタではth07_12, th07_13bar34も同じ調) 122 158 249 288 336 339 341 353 383 464 468 523 606 651 656 661=692 691 693 702 707 715 759bar88 760 766 807 808 819 820=1002 857bar21 879 890 913 928 954 984 986 988 1005 1016;
ex, エロティックな印象86 117 263 437 469, 7 89 99 135 392 450 597 644 761bar43 801 949;
cf., 264(Am, 工口)
※池から霧まで水に関する事物でも、清涼感あるものに特徴づけられる。

青空や青い海や若い女 E♭=Cm (短調の場合は少し変わる)
10 19 24 57 76 82 94 116 118 217 304 318 320 329bar22 414=829 422 542 543 560 616 627 629 657 665 697 708 717 720 764 852 859 881 919 929 931 940 1011 gdo21;
ex, 管弦楽でハ管トランペット対応、「英雄の調」など35 118=141 295 399 551 573 636 853 gdo37, 61 419 537 560 697 858 877 941 948;

青空や青い海 E=C♯m (短調の場合は少し変わる)
5 59 258 203 242 270 300 368 556 581 598 640 655 658 689 695 767 797 800;
ex, めでたいハチャメチャ系270 741 742, 333 585 588 611 634 802 876 903;

F=Dm, G=Em は C=Am に五度圏で隣り合い(C=Am にダイアトニック構成音の7つ中6つが同じ)、長調やIV-V-vi進行 (王道進行系) などは安心感のカテゴリに属する。
F=Dmで青い海系は494など稀である。
F=Dm は Dm の調の主音Dがコードとメロディの軸で強調されると、Dメジャーの亜種のような響きになると思うので、割合、安心感+青い海という傾向を帯びたりもする。
特にDm の調である曲例244は、ギターがDパワーコードを鳴らしてボーカルがDピカルディの三度で音符が置かれて全体の声部がDメジャー相当になる、15小節めからの楽節に、そのイメージが整合するので、典型例である。
C=Am, F=Dm, G=Em はピアノ白鍵およびギター標準チューニングの関係で普遍的な響きがあり、特に上記の「青空」に関する漠然としたイメージの一部分には当てはまる。
一部分とは、前述の通り、「安心感のカテゴリ」である。

青空は、他にも人によって異なるイメージを持つ:
・任意の気候の土地の任意の季節におけるみずみずしさとともなる、しばしば風と雲とを伴う青空
;上で特集された4つの平行調 D♭=B♭m, D=Bm, E♭=Cm, E=C♯m が典型例である。そこで言われた「青い海」の要素は、別の話とする。
・高原や高山のようなところで見る空気の薄いことによる光を反射または屈折する気体が少なくなった青空
;Dメジャーと五度圏で隣接するAメジャーは、このような青空を表現しやすい。後述ではAメジャーとA♭メジャーが近いものとしつつ、不気味さのある青空であると言及している。
・砂漠の乾燥しすぎた結果の青空
;調よりもパワーコードやsus4/sus2コード(できればこちら)などでカラッとした印象になる。そこから、青空以外に、大気中に水蒸気の少ない火星のイメージや火山灰におおわれた噴火中の火山なども表現できる。特にsus4コードは、人間が住むに適さない土地のカテゴリに相当する。cf., 音楽館2015-04-13記事での1-7(カラッとした印象とは逆に激しい嵐も例示される). Eメジャーの曲例640は、4分の3拍子の曲であることに加え、sus4コードの多い冒頭のアコギ演奏が、乾燥した地中海沿岸(特にケッペンの気候区分でいうスペインやイタリアの地中海性気候 Csa 相当)の夏を演出している。
・普遍的で安心感をもたらす青空
;既述の通り、安心感の3つの平行調 C=Am, F=Dm, G=Em。

上で特集された4つの平行調D♭=B♭m, D=Bm, E♭=Cm, E=C♯m はキラキラ帯域であると私はみなす。
青空などの例に当てはまらないとしたBm, Cm の曲例99 560 801 949なども仄暗い中でのキラキラ感がある。

反対に陰湿かドロドロだと人々の感じそうな曲が多い帯域を決めたい場合、まず骨組みとしてはEm, Gm があるように今回の調査で感じた。
ギターの標準チューニングE-A-D-G-B-Eの開放弦の音はダイアトニックな構成音にEmが5つを、Gmが3つを含んでもいるので、多少は弾きやすいために私の探した範囲で曲例が多かった(今回は掲載しない)。
これらの平行調の長調では、聴いた印象が少し変わる。
Em, Gm が骨組みである上で、チューニングの差などでDm, D♯m, Em, Fm, F♯m, Gm までは含めることもでき、陰湿な帯域と仮定する。
中庸であり汎用性の高いAm の半音下であるG#m はAm の亜種に分類したいが、ぎりぎり、この帯域に含む見方もできる。
逆にGm はAm の亜種またはG#m を含めた独立の存在、という見方もできる。
なお、Fm と平行調A♭ およびF♯m と平行調A は、D♭=B♭m, D=Bm と五度圏で隣り合うために、青空を想起させる曲例218 305 609=620 622 764が見られる。
雲がほぼ見えない快晴の青空でありながら、すぐに夕立ちになるか夕暮れに変わりそうな不気味さを私は感じる。

2020年7月8日にDメジャーメドレーを作り始めた当時の私は、「Cメジャーは童謡を含む多くの音楽で現代文明の誰もが聴きなれているための安心感、Dメジャーはそこから半音2個高いことの明るさや爽快な海っぽさ。それらの並行調であるマイナーの調は同じか少し変わる」として捉えていた。
そうした時、CメジャーとDメジャーとの間に位置するD♭メジャーはどうであるか、サンプルの少なさもあって納得がつかなかった。
「安心のCよりは半音高いので、少し明るいかも」、「Cより半音低いものも含めて都会的かミステリアスだと感じるかも」という程度である。
以後、積極的に楽曲ごとの調性や音階やコード進行など和声分析を行ってきたことで、機運が高まり、2021年1月28日からこの調査が開始され、多少のサンプルを把握することで定性的に判断しやすくなった。
トランスなど電子音楽–エレクトロニカ系は、Am = Cのピアノ同様のキーボードが用意されて作られるジャンルであり、リアル管楽器やリアルギターなどを主体とするジャンルと比べてそのキーボードを弾くからキー +1とか-1といった考え方で調が決められており、調の名前以上にAm = C依存の特徴を思わせる。
これらのことは、MIDI規格のピアノロールのシーケンサーを用いるDAWから本格的に作曲を始めた世代にとって隔世の感がある。
楽器の特徴や歴史経緯を知らないと、これらのことを理解できない。
始めはクラシック–古典音楽から、ロックやジャズなどのバンド系の音楽まで、多くの楽器とジャンル別にあるジャーゴン的な音楽用語の音楽理論に苦手意識を、その世代は感じるはずである。
その世代に属する私は、歴史経緯など多くを学んで克服し、このような記事を書いたが、他の人がこれを読んで理解できるかは、当人の意欲に基づく。
私は宗教セクトを広く学んだ者であるため、宗教のジャーゴンを包摂して理解できた後、時代差や楽器差を持つ音楽のジャーゴンにも包摂主義で理解して繋ぎ合わせて説明している。

古典的な調の性格論についての結論は、以前の記事に記されたように、それが記述された当時の楽曲例ごとの作曲者が与えたテーマと、作曲者や理論家を含む誰かが演奏した楽器の調律–チューニングとに依存しているものと分かった。
そこにはそこで言える調ごとのピッチ間の音響的な相違(調律に依存するものは周波数の十二平均律に対する差異をセント値で表現できる)があり、現代で再現するには困難である。
正しく調律された楽器またはサンプル音源が用意されない限り。
また、当時の人の聴覚的性質、認知的性質などは推し量りづらい。
現代では現代の調の性格論が言えそうであると思って現代的に調査した私は、改めて当時では当時の人なりに感じられるものがあると思う。

当記事は、A440の音楽が現代に多いという既成事実と、A440の音楽に現代人がなじんでいるという仮定を前提にした。
そこから、私の言説があるものの、古典音楽での「英雄の調」に言及すると、避けられないことが、415 Hzやそれ以下を調律のピッチ基準にしていた過去の例である。
415 Hzが440 Hzの役割を担って調律のピッチ基準にした音楽が多い時代では、A440におけるDメジャー=ニ長調こそが、当時の「英雄の調」であるE♭メジャー=変ホ長調に極めて近似する音響であることになる。
楽譜の演奏の結果であればE♭メジャーはE♭メジャーでよいが、異なる時代の音響的特徴を解釈すると、このように半音異なる調が整合する。
この発想は以前の記事にも記されたので、おさらい程度に今は記す。

現代の楽団や演奏家でA = 466 (or 466.16 or 466.2) Hz の調弦をしたり、調律のある管楽器を用いる傾向がある、などという話も世間に聞かれる。
それに反して、具体的のどこの楽団やどんな演奏家であるか例が全く聞かれない。
バロック期がA = 415 Hzであるとか、A = 392 Hzであるとかも私はそういう話を一応、信じれば、「こうであろう」としか言えないし、軽く触れる程度で終える。
415, 440, 466, 390 Hz はそれぞれ十二平均律での半音や全音の関係に極めて近似するので、これら基準ピッチのシミュレーションはMIDI規格のサンプリング音源再生におけるトランスポーズなどで行えば可能である。
432 Hz, 435 Hzなどの440 Hzにとって微分音に当たる基準ピッチのシミュレーションは、サンプリング音源に含まれたサンプルのオーディオデータがそういうものであるか、以下の記事にあるようなピッチベンド調整で可能である。
2018年12月5日投稿『MIDIピッチベンドで音楽の周波数を調整するための数式 (440 → 432 Hzでの例)』
https://lesbophilia.blogspot.com/2018/12/MIDI-pitch-bend-frequency-calculation.html



A440の音楽再生での音楽イメージ絵(他人にとって意味や価値が有るかは別の話、私の中で正直に浮かんだという意思表示)
A440音楽イメージ絵 画像中に簡易説明、掲載ページは下記

D♭メジャー=B♭マイナーの曲例735を聴いて浮かべるイメージの絵、2017年7月16日
Dメジャー=Bマイナーの曲例661を聴いて浮かべるイメージの絵、2016年8月15日
E♭メジャー=Cマイナーの曲例890を聴いて浮かべるイメージの絵、2019年4月9日(E♭の記号に見えてくる?)、または2018年11月17日
Eメジャー=C♯マイナーの曲例767を聴いて浮かべるイメージの絵、2020年4月28日(未公開)
DメジャーとAメジャーが混ざる曲249を聴いて浮かべるイメージの絵、2017年7月10日(雲の形にDとAがあるかも)

こういった絵を私は、多数、描いた。
「キラキラ帯域」が特に好まれた傾向にある。
他には、調と別の目線で半音階や変拍子の傾向が強い楽曲2つのために音楽イメージ絵(2017年9月23日から開始)を描いたこともある。



E♭メジャー=Cマイナーの曲例57 82 422 657 881 890からは、なぜか特定の髪型の人物(肩甲骨ほどまで伸びた髪型、ウェーブの程度は無~中、フェミニンな容姿)が想起される。
そのような想起は、300 421 524 549 656 658 882などでもされる。
「交差点」の絵も音楽イメージ絵であり、楽曲の調はE♭メジャー、サビからはCメジャーに転調する。
髪形を問わない類似のイメージが、E♭メジャーの曲例で見られる。
その曲例717は「○○ガール」と、明確に若い女性を指す言葉を曲名に含めている。
その曲例320は「メリー」という、「メアリー (Mary, as in "Mary Had a Little Lamb" メリーさんのひつじ)」という名の少女のように理解される人名なのか不明の名前を曲名に冠しており、曲調は少女らしい雰囲気である。
その曲例931は「ヨーロッパの煉瓦のお家、女の子」が焼き菓子を作っているような曲調であることが、作者によって説明される。
この3曲は、M氏、O氏、A氏という異なる作者たちによって作られた。

「キラキラ帯域」と典型例の曲の話が長い、というか、この記事ではそれらの調について語ることでA440調性格の説明の可能性を示したかった。
そういうわけで他について当記事では、説明しつくすつもりが無い。
とはいえ、私は他の調でも同様に曲例を示したいとも思う。

F♯=D♯m の音階には、C=Am にとっての半音(ピアノの黒鍵)の音高が5つあり、D♭=B♭m と B=G♯m に並ぶ最多である。
F♯=D♯m の曲例は、先述の「陰湿かドロドロ」というより、不思議や神秘(D♭=B♭m 曲例107 109も同様の傾向)に類するものではないかと感じる。
202 283 285 327 380 420 465 522 545 550 553 598bar41 676 694 851 898 905, 950
ex, 都会14 466 720bar16 723 726 728, 292(イントロ、Aメロ、Bメロ) 347 637 642 906 1019
※転調の結果で一時的にこの調が現れる曲 (720bar17 822bar25など。後者はYouTube, vxN190ujvV0動画で音と映像とが C=Am に移調されているものの字幕で E♭ から同主調 D♯m に転調している例を確認できる) も多いが、上掲で私は意味を感じやすい長さのパートを含んだ曲例のみを示す。
※上掲の中では、ロック系の曲でギターに用いる標準チューニングで弾きやすいG=Emを半音下げチューニングで弾いた結果のようなものとして466 726 637 642 728 906が考えられる。

手前味噌のようではあるが、以下のように私の自作曲–オリジナル曲から示す。
2014年作の一曲「ピアノとベースとドラムとトランペットの自作曲」
https://www.youtube.com/watch?v=Vx524ldrlXw
2016年作の一曲「At the End, a Star Falls」(以下の動画の1曲め)
https://www.youtube.com/watch?v=VSUm2KE1uDI





備考:Dマイナーの らい○ちゃん楽曲

らい○ちゃん楽曲は以下のように保存楽曲の識別番号の記録がある。
131 139, 262 263 264 265 283 284 285 286 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 412 418 419 420 437 438 439 451 492 495 526 527 528 529 530 531 532 578 579 580 646 667 694 702 703 800 861 862 863 864 865 866 867 868 869 893 894 895 896 897 898;
名義隠し→382 383 384 449 450 504 505 506 507 524;

これらのうち16つが Dm (ここでは平行調 F を除く) の調を持っていて冒頭(一般的には弱起の部分を除く)にDマイナーコード(およびその構成音に通じるメロディやアルペジオや低音部)が用いられている。
曲例:131 262 265 284 325 326 328 330 504 528 531 667 862 863 866 867 893;
cf., Fの曲例 451, F♯ = D♯mの曲例283 285 327 420 694 898, E = C♯mの曲例331 333 800;

これら Dm の曲例には、らい○ちゃんの典型的なロック系(エレキギター中心)とバロック系(チェンバロ中心)の楽曲が多く含まれ、ジャンルや楽器の使用と合わせて Dm の調がらい○ちゃんらしさを演出していると考えられる。
改めて考え直すと、現代ポピュラー音楽A440調性格に関しては、そういうチューニング基準音にC=Amなどの調や和音の名前を付したというラベリング行為に関する印象であり、この限りで量的に言える部分があると私は感じた。
それは個々人がそのような調や和音の集まりである楽曲をどれほど聴いて認知行為を行っているかにも依存するが、外的要素としては定量化しやすいと思った。
当記事では、私の方で証明可能なものとしてDメジャー(および「キラキラ帯域」)が「癒し、青春、青空、青い海」であるとか、Dマイナーが「らい○ちゃんらしさ」であるとかと調性格の一面を詳細に記録した。
Dマイナーの平行調であるFメジャーについては、先に述べたようなものでもある上に、らい○ちゃんの曲例で稀有かつ印象が違いすぎるので、ここではDマイナーと同一視しない。
一般的な音楽でもいくらかの分量で曲例を調べ、個々に印象を捉えてみれば、更に色々な調性格の側面が見えると思う。



備考:Cメジャーでのカノン進行の謎

Cメジャーとその平行調Aマイナーといえば、「普遍的な何か、安心感、童謡」および「真面目、無機質さ、つまらなさ」など素朴さと形式性のカテゴリに印象づけられる、と私は感じる。
Cメジャー=Aマイナーはピアノで白鍵のみに相当する構成音を持ち、初級の音楽教育で定番であり、耳にする機会が最も多いと推定され、それらのことから私にこの印象がある。
カノン進行(パッヘルベル Pachelbel's Canon 由来のそれ、構成の和音について少しのバリエーションが許容される)といえば、Dメジャーをサンプルにする傾向がある。
Cメジャーの調でカノン進行を鳴らす曲は、こちらのMIDIファイルで:57(Fメジャーからの転調、2012年5月作) 422(E♭メジャーからの転調、2006年7月作) 549(2015年10月作) 739(2006年12月以前の作)がある。
他に連想された、某サイト以外の作者1998年作の歌モノ1曲に関してはDメジャーであった。
日本のポピュラー音楽では、1990年代前半の「作詞:S 作曲:O 編曲:H」2曲などがどうしても連想され(ただしGメジャーなど強めの関係調かもしれない)、それ以外にも多くあると思う。
1985年リリースの「通称:金の何アレ」1曲に関してはD♭メジャーであり、同じ調の曲例765の間奏カノン進行が4番目にA♭マイナーコード(Fドミナントセブンスに含まれる和音)を使うようなバリエーション型とはいえ、曲全体は似ないにしても、そのパートのみかなり重なってしまう。
D♭メジャー(半音上)やGメジャー(属調)やDメジャー(属調の属調、または全音上)など、Cメジャーと強めの関係調である調の場合を含めると例が増えすぎてしまうが、それらも含めてそういう歌ものの曲を聴くと、80年代から90年代のにおいが感じられてならない。

私自身、固着の定義をすることは望んでいないので、こういう多少のブレがありうる「認知 (cognition)」に関しても多様なアイデアとして素直に披瀝する。
何せ、音楽は物理特性に限れば和声理論からサンプリングまでの数理に還元できても、基本は人間の感性(個人の内面から社会の共同に関する全般を含む)を第一にしている。
物理学や音響学そのものではないので、それだけはしっかりと反省しておきたい。
この節で私が挙げるような特定の調(および関係調)と特定のコード進行の組み合わせは、ただちにそれだけで特定の雰囲気に繋がる原因となるはずは無いが、やはりこうしてスキーマ的に何か偏向のある認知的特徴が形成されるのではなかろうか?
これこそ、「Cメジャーでのカノン進行の謎」である。
「Cメジャーの調でカノン進行を鳴らす曲」が2000年代以降に作られた場合、意図的に古さを演出しようとその調でそのコード進行にして(なおかつメロディも半音的にしすぎないように)作ったのか、自然にそういう発想がされたものを素直に打ち込んだのか、練習の意図で典型的な歌ものを作ろうとしてそうなったのか、興味深い。

平行調Aマイナーで類例を挙げるとすれば、スペインとかスパニッシュとかと言われるような全音下降進行 [i, VII VI](Am, G, F; 他の人の表記で [VIm, V, IV]) をピアノなどの弦楽器全般で刻みで演奏するものが考えられる。
ただし、半音階的になるアンダルシア終止 [V7](E7; 過去記事の例の通りドミナントセブンス–属七和音を指す) にしないようにする。
[VI](F) に繋げずに [i, VII] だけで繰り返すこともよい。
このAマイナー全音下降進行には、真面目な(やや頑固で熱心な)努力家のような雰囲気が、よく与えられている。
そういう演出には非常にコミカルで有用である、と私は思う。
低すぎず高すぎないオクターブであることも、この印象のための条件かもしれない。
特定のコード進行をA440下の調に結びつけて何になるかというと、改めて性格論を言う場合はコード進行など細かい和声の部分と曲想が、本来は原因として強く関連していることを考えなおす。
いつもの話になるが、私は多面的に考察したいので、A440調性格においても「反対の仮想(反証?)」のようなことが必要になる。



意見:「調号は和声における言語記号」だろうか?

ここまでの調査から、小さな結論または次の研究に繋がる仮説を出したい。
私はDメジャーの曲例から、その調が縁起のよい事物や明るい雰囲気や健やかな環境に最も望ましいものであると思う。
これがなぜなのか、近現代の調性がはっきりとしている音楽の例も年代から加味して考えた。 古典的な「調の性格論」を示す「同シリーズ」(先行研究)記事を踏まえると、私が24歳である2021年現在、イメージが近似するか共通する可能性は、300年以上前であれば低いが、150年以内であればかなり可能性が高いと思う。
1960年代までは、やはり古典音楽に多少の理解がある後に、各々の作曲ということも多かったろうし(その後に音大卒でもそれ以外でも結局、古典音楽を学んでいるのかもしれないが、重んじる程度は当時が強いか)、リスナーも2020年代より強い理解があったと推定できるので、それ相応のヒット作(当記事の話題からいえば、曲想に対して一般的な古典音楽の調とは過度に外れていない調の選択がされている曲のヒットなど;これも私の推定だが)が考えられる。
調律の方法(中全音律から十二平均律まで)や基準音(同時代同地域でさえ異なる調律が多い状況からA440が普及した時代まで)が異なっていても、Dメジャーという和声的「言語記号」は継承および微細な変化によって受容されてきたと思う。
「継承」は文字通りの意味になり、程度の高低については正確な検証がされない限り仮定しない。
「微細な変化」とは、既存の調の印象の曲例に囚われない型破りな曲例の登場による継承と、調律方法や基準音が変わった後に既存の調号に対する調の印象をその差に相応の調の印象を移した(e.g., 基準音が上がった後にCメジャーの印象を半音低いBメジャーに移すか軽微に重複するなど)誤認または無視とが考えられる。
生物学や進化論での突然変異 (mutation, genetic variation) に比較したくなるし、生態学的ニッチ (niche) にも比較したくなるし、言語学の形態論や意味論でも、この種の形態素や単語の置換が見られたり社会に応じた変化などが多く観測される。
言語学で言われるようなことは、フェルディナン・ド・ソシュール Ferdinand de Saussure の説とされる「記号学 (フランス語: sémiologie, 英語: semiology)」の論理でも説明できるが、一般的にそうはされず、他の記号論や記号研究の領域で援用される傾向になる。

混雑した比較方法にはなるが、調号や調の性格–印象に関することも、私にとっては、ソシュールでいう「記号の恣意性 (En: arbitrariness of the sign; Fr: arbitraire du signe)」の強い事象であると思う。
人間のコミュニケーションの中で作られて発展して多くの人間の認知対象になっている言語と音楽は、記号の恣意性を言うことができる。
端的に、十二平均律やA440といった要素の複合の結果でもそれ以外でも長調または短調ごとの音響的特性は、必然性を生じないので、個人の一生から音楽の歴史というミクロやマクロのスケールで認知的に印象が決められる傾向が強い、ということが記号の恣意性である。
任意の長調に対する平行調か同主調かを問わない短調といった両者の間では、調の主音のコードと頻繁に用いられるコードが数理的に整数比の意味で少しの必然性=蓋然性を生じても(いわゆる「明るい」「暗い」という一般的な説明、神経や生理や心理の面で認知的なエラーが強いか弱いかとも言える;協和音と不協和音に代表される音響の数理に関して脳の神経が認知できるという構造が人間とそれ以外の動物にどれくらいあるか別途調査が必要になる)、Cメジャー–ハ長調とDメジャー–ニ長調といった長調どうしの両者の間では、任意の基準音に制御されたラベルの差で蓋然性を生じない。
※無論、古典的な調律の場合は実際にセント値 (cent, a logarithmic unit) のような対数由来の自然数による比較で異なる差が、調のラベルの下の構成音に生じるので、蓋然性を生じる。
※「シニフィアン (能記、記号者 signifiant) とシニフィエ (所記、記号対象 signifié) とを混同していないか?」と言われそうであるが、記号の話をしなくとも十二平均律による調律による音響特性が、中全音律など古典的な調律と違って同じ調(主音が異なるだけの同じ長調または短調、何らかの音階)ごとの差が無くなるという議論が古典音楽研究者によって先にさんざん言われている経緯を私は示している。「cat. 調性格 - やわらかなバッハの会」ページにおける「キルンベルガー」の「平均律は作曲家に長調にするか短調にするかの選択肢しか残さない」という言及(訳者不明、原典不明)、云々と紹介した。古典的な調の性格論についても、同じく、曲想に依拠した結果のものであって曲想を抜きに調の音階だけを聴いて印象を言ってもそれは古典的な調の性格論と異なる、という話である。確かに、シニフィアン側である調のラベルの問題は、音楽学の和声学と別領域に当たる。

音声言語や音楽は、その物理特性のみを言えば、周波数の異なる音波の同時または連続的変化の集まり(cf., 信号処理におけるフーリエ変換 Fourier transform in signal processing)ではあるが、聴覚の器官を通して人間が認知することで多彩に異なる結果を得る。
そこには、進化の結果の先天性(心理学的のみならず生理学的性質を含む)もあれば、所属する社会に由来する後天性もある。
※以前に音声学で「YとWの子音は日本語といくらかの言語で柔らかい」などといった自然物への比較による言語音声の認知的特性を私は示した。ただし、生まれつきの聾者にとってはいかなる音も認知対象でない。
有効利用すれば、キャッチーな音楽の制作はもちろん、ピアノ演奏の「音」のみで意思表示や感情伝達という高度な非言語コミュニケーションにまで利用できる(単に数字を含む文字素を音声信号にするような電話のDTMFなどは別、簡単な情報処理にも利用できる音波周波数であって認知や感情とは別領域)。
調の性格の変遷なども同シリーズの記事で他者によるページの紹介もしながら説明しているが、いくらかのことは改めて研究を深めないと、明らかにならない部分が多いと感じた。

当記事では、Dメジャー=Bマイナーとその前後の特定の帯域を「キラキラ帯域」と呼ぶなどして私が確認しやすい情報をまとめることで、その成果とした。
"D"の記号を解体すべく手に取ると、ドリア旋法 (Dorian mode) への結びつきや、それを意味したアイザック・ニュートン「光学」の例の図のことがどうしても私にとって回避できないし、音楽の歴史に詳しい人も同様であろう。
その辺がDメジャーやDマイナーの印象にどう関わるか、関わらないか、慎重に検討される必要もある。
※J.S. バッハによる、Dマイナー (d-Moll) のBWV 538 (有名でないほうの「トッカータとフーガ ニ短調」) は通称「ドリア調(ドリアン, En: Dorian, De: dorisch, dorische)」であるが、これは後世の人がそう呼ぶにすぎず、全くドリアン・モードでない。有名なほうの「トッカータとフーガ ニ短調」との混同を避ける記号として使われる分にはいいが、どうあっても頭文字Dの名前にこだわる?
ドリア旋法(ポピュラー音楽でいうドリアン・モード)とDの関連性では、Dのドリア旋法を検討すべきか、Dメジャーに構成音が同じのEのドリア旋法を検討すべきか?
Gマイナーの構成音に相当するパートを25小節まで持っている、曲例322は、そのパートがCのドリアン・モードであると分かる。
Gマイナー・スケールと同じ構成音でCメロディ主音を持ち、その六度の音がドリアの六度として確立されることで、五度圏で隣どうしであるGマイナーとCマイナーとにおける中間的な存在としてCのドリアン・モードを設定したい、と私は思った。
当該楽曲の当該パートは、実に私がGマイナーの性格とCマイナーの性格とをどちらも感じうるものであり、しかし、後のパートがE♭メジャーでもある転調がされているので、E♭メジャー=Cマイナーの印象を最後までに強める。





現代ポピュラー音楽での結論と移調議論

現代ポピュラー音楽では、こうした曲例から、A440調性格を多少、読み取ることができ、既成事実化しているようにさえ感じられる部分もあった。
中全音律に代表される古典的な調律などに根差す「いくらかの古典音楽」に、この話が通用するかは、今も何とも言えないが、その当時の「調の性格論」から一部、ポピュラー音楽に継承されて定番化している例(e.g., CマイナーでRPG戦闘曲のようなものや管弦楽などに類似したポップスとロック、「♭♭♭=三位一体の調」「英雄の調」と言ってもE♭メジャーはそういう方向に使われづらい)も少なからずある。

本文での曲例の提示とその解説では、調の印象やイメージに関して「半音」や「五度圏」の隣接による相関性が挙げられていた。
認知的な原理が何であるかまでは説明していない。
あえて言えば、半音の隣接は、運指や音響で近いことが誤認を含む印象の類似–近似を与えたり、五度圏の隣接は、構成音と和音とに共通点が多い。
前者については、私自身、耳コピなどをした場合に、ノートごとに「その音そのものでも、前後の音との比較でも」、半音の差を正しく把握することが完璧にできるわけでないことを自覚しているので、「絶対音感の特徴が強すぎる人以外は、そうして調の認知が伴う」と私は推定する。
A440の基準ピッチで音響面から、認知的な原理が何であるかを私は解明しえない。


2020年9月14日投稿『転調が多い曲にピアノ演奏教育のための移調がどう適用されるべきか』(原案は2020年7月29日)を改めてご覧になってほしい。
「全てをハ長調=イ短調 (Cメジャー=Aマイナー) に移調して楽譜を記してピアノ演奏を教える音楽教授法」は、一般的なグランドピアノなどで、各々の基準ピッチでそのまま、そのハ長調=イ短調の楽譜を演奏するのであろうが、音響的にもそれで問題ないとするならば、やはりA440調性格に相当する音響認知が既成事実化している音楽を聴いて育った多くの人には、ポピュラー音楽で不向きに思われる。
無論、その提唱者が念頭に置いていた「平均律クラヴィーア曲集 (WTC, J.S. バッハによる)」の48曲(前奏曲24 + フーガ24、24の可能な調に対応する)を知らない状態で初めて聴くか学ぶなどする人には、音響的に無問題かもしれない。
私としては、それがされるならば、電子ピアノなどの電子楽器で移調(トランスポーズ、トランスポジション)がされている状態で弾かれることがもっとよいと思う。
相対音感を優先しているタイプの教育者にとっても、これはこれで問題ないと思うであろうが、微妙な絶対音感を持つ多くの人にとっては音楽的成長のさまたげになるとも思うであろう。
ここら辺も、現状、仮定的に私は想像して言うので、実際にどこまで事実性があるかは、科学的な(認知音楽学の)研究が重要になる。





付録

音高–ピッチもしくは音程–インターバルに関する図を作った。
当記事の調の話と、関連させようと思えばできるが、ここで特にその説明をしない。
画像情報やモデリングは、何らかの光のスペクトル・モデルまたはカラーサークル・モデルを採用してもいる(ニュートン Isaac Newton の七色ドリア旋法でDが赤であるような表現に合わせて長調でのIIが赤)。
半音隣型(光のスペクトル)と五度圏型(補色)を示す。
半音で隣り合う位置どうし (appr. 1 : 1.059463)、三全音=対称的な位置どうし (appr. 1 : 1.414214) の音程の関係も、数理的に幾何学的に確認できる。

音楽対数の視覚化、対数螺旋 logarithmic spiral




他の話題:


和声理論で重要な五度圏に関しても参照されたい。
Wikimedia Commonsまたは私の教科書画像から五度圏@





興味があればこちらのページ?

楽譜に表れた「調性感」で表現したいものが違う、と演奏家が説明するページ。その演奏家は古典音楽–クラシックの立場なので、参考までにクラシック系でどういう考えの人がいるか例示する。
竹内太郎のページ - "バロック時代のピッチについて". http://tarolute.crane.gr.jp/sitenpitch.htm

ジャズ系の音楽の和声を調査すると、調に関しては調性格の型にはめづらい気がした。歴史経緯から、無調音楽がある程度作られた時期の後に大きく発展したジャズは、少しそちらの傾向を私は感じる。また、西洋音楽の中でも「クレオール言語」のようなクレオール音楽として理解したくなる。下記は関連するか不明だがリンクを載せる。
山本, 理人. 小野, 貴史. - "ヨーロッパ近代音楽とジャズ和声における相互関係の研究". 信州大学教育学部研究論集. 第3号. 平成22年7月.https://soar-ir.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=2362&item_no=1&attribute_id=65&file_no=1

一般的なポピュラー音楽のディスコグラフィからのデータベースがリスナーたちによって編集されているサイトで大規模な例。曲ごとのページでは、それがそう編集されている限り、調 (key) も記されている。
MusicBrainz. https://musicbrainz.org/








起草日:2021年2月上旬

私をはじめとしたリスナーの直感的な感性で、曲の印象を多くの数のサンプルで収集して原因となる音楽的特徴を調べたい。
私が作曲を行う立場にしても、これは役立てられる。
私自身が可能な範囲でそれに近いことを、今までにしてきたし、当記事は調に焦点を当ててその方法論を示した。
認知科学として妥当な方法は別途、されるとよくてここでは最小限に行った。

また「ファッション(fashion, 任意の英英辞書やソーカルら著で形容詞 fashionable が「非実用的な」という意味であることは別)」のような話を、当記事でもしてみよう。
既製品を企画するのであれ、買い求めるのであれ、オーダーメイドやビスポークの方法であれ、やはり衣服のデザインとか寸法とか生地とかもデザイナーや消費者が役割と名前とではっきり把握していることが望ましい。
または、デザイナーでも職人でも販売者でも、そのように把握することが直感的な良さに繋がる。
天然素材でもセルロース系合成素材でも石油系合成素材でも、物的な特徴などが名前とともに把握されて目的に活かされれば、その限りで良いものである。
音楽でも、作曲者やその他の関係者が音楽的特徴の理解を持つことで、これが生きるが、そちらの有形の物体と違い、音の領域に限れば「物体の振動の副産物を知覚して感想を懐くに過ぎない」と言われる。
ファッションやアパレルのように認知対象が有形の物体である分野に寄せて言えば、確かに譬喩–比喩に過ぎないかもしれない。
私としては実利的な面を上手く創出したいので、こういった音楽を含む芸術分野の認知的価値を多く検分したいと思う。



「実利的な面」の音楽における発揮について、この記事の研究の後、改めて私は発想した。
任意のオクターブの任意の音高(A440)の音を物理的または神経的に鳴らすことで、その後のメロディが紡がれるという作曲法である。
2021年3月24日に「風呂(シャワシャン)」を行っている時に私はこれを発想した。
これは私が多くの音楽を聴いてパターン学習をした結果およびその場の状況に相応する出来栄えになろう。
なぜこの発想があったかといえば、私が任意の作曲コミュニティにおけるテーマの定まったコンテストに楽曲を応募しようと思っているからである。
すでに既存の案があったものの、更に好ましいものを作りたいと私は思っていたので、そのテーマに整合する風景写真のようなものを浮かべた上で特定のオクターブの特定の音高を脳内で鳴らした。
その時の場合、C5のEではEメジャー3拍子のメロディになったり、C4のEではEマイナーの3拍子のメロディになった。
その他に、それらメロディを伴う音楽の細かい特徴については詳述しないが、私はその時にクオリティとしては月並みのものが浮かんだと思った。
何度も試して更に好ましいものが作ることができないかを模索する。
私は着実に作曲法に多くの研究の知見を活かそうとしている。
それらメロディを伴う音楽も、私が知る限りの調の性格に近似しよう。
すでに作ったものはDメジャーで鳴らした時とE♭メジャーで鳴らした時とで印象がだいぶ変わるが、どちらでもそのテーマに問題ないとも思うし、なかなか判断が容易でなかったりする。



「A440調性格」については、記事の全体で、科学的に私の管理楽曲や音楽の歴史などから、反例や反対の仮想(自己反証?)を示しているつもりなので、他の音楽学の専門家が臨床実験なりすればよいと思う。



2021年6月3日木曜日

2021年5月中の日記メモ

(前月に続き)本文をコメントアウトで公開します。ソースからご覧ください。ご不便をおかけします。

●口上
日記メモにはその便宜のために定型的な表現と語句を含んでいるが、それらは広く「日記メモの用語と解説」ページに説明がされている。

●私感
当月6日から家の他人の1人が復職し(薬剤師以外の職種)、私は家に1人でいる時間が多くなったので、何かしらできることの多い時間が長くなった。
とはいえ、時期が時期で外の虫などに警戒する上に、新型コロナウイルスのいわゆる「変異ウイルス」(変異株; variant, variants of SARS-CoV-2)の感染拡大にも警戒するので、1~3月に多く行ったような外出に関してはナシであると当初から考えた。
どうあっても絵や音楽や動画や執筆の作業が今も多く案として蓄積されているので、堅実に進めていくことは、相変わらず大事である。
悲しいかな、体の不調は年々にこれも蓄積が多いわけで、こういうことにも気を揉んで解決を願った些細な努力を兼ねている。
他人に会うとか、飲み会などするとかでもないので、景気よく散歩くらいしたいとも思う。
当月22日、「雇用契約、雇用期間満了、株式会社某甲、2021年5月31日に満了」の紙が1階リビングに置かれていることから、その人の今の職務が間もなく終わると見られた。
当月26日、朝で2時間の外出をし、6月1日、その事実を確認した。

メモ記入日の一覧 (日付をクリックして移動)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31