2020年7月4日土曜日

2020年6月中の日記メモ

(前月に続き)本文をコメントアウトで公開します。ソースからご覧ください。ご不便をおかけします。

●口上
日記メモにはその便宜のために定型的な表現と語句を含んでいるが、それらは広く「日記メモの用語と解説」ページに説明がされている。
2019年9月29日における携帯電話の画面に光が入らなくなる故障から、非パソコンでの簡易なメモ(強い必要性があるものに限り紙・ペン)と自室での時刻確認ができない状況にある。
同じ事由で、写真は多くの場合にその場でのプレビュー参照ができずに撮影・保存・公開の段階に入ることになっているので、ぼやけ(加えてレタッチのシャープなどはデジタル画像処理の観点で「写真に対する使用はごまかし」なので別の理由が無い限り用いない)や被写体の位置が枠を外れる程度についてのご寛恕を願う。

●私感
エアコン掃除の一般的な参照源:
https://meetsmore.com/services/air-conditioner-cleaning/media/7267
https://www.cecile.co.jp/genre/g3-1-LF-LN-1E/article144/

2020年6月20日土曜日

音楽理論とデジタル作曲実技に関連する動画の説明文

二三の動画の説明文を投稿日の昇順で掲載する。



3月5日投稿『MIDIシーケンサー:ピッチベンド pitch bend, ポルタメント portamento, パンポット pan pot の多用』


既存の私の楽曲で行われていないことを今回の耳コピで、次のように私は行った:
・高音の矩形波 (square wave) にポルタメント (portamento, CC065および005) をかけた。
・「知らないわ~」パート(原曲1:30-)中の鋸歯状波(鋸波 sawtooth, saw wave)は同じフレーズで2度鳴るものにポルタメントをかけた。
・ボーカルの音色はバグパイプ (PC110: Bagpipe)とシャナイ (PC112: Shanai, shehnai) とを作曲中に何度も変更して聴き、最終的に後者にした。音響的には原曲の声よりも1オクターブ高い(周波数が約2倍)。
・ボーカルには大量にピッチベンド (pitch bend) を付与して原曲の声に擬することを望んだ。ただし、スペクトログラムなどで音程を精密に計測したわけでない。「上海」と4回言うパート(原曲1:02-)は1回ごとに微分音のように少しずつ音程をずらして発しているように私は感じたが、ノート周波数とピッチベンドの相対比較でピッチベンド値を決めたわけでない。
・冒頭のキックには矩形波や鋸歯状歯をベース様に低音 (C1 F = 29が基本) で鳴らしたり、ゴーストノートを重ねたりした。
・「イーアルサン~」パート(原曲0:10-)中のパッド系シンセ音はカットオフ(ブライトネス)のマイナス値を適宜に加えた。

これらはその新しさの範囲内での訓練となったろう。
(2019年12月29日までに上記に当たる作業が完了したと私は判断する)
作曲の可能性を拡げることになると思うが、恐らく実行されようものは多くない。
私の欲する曲作りと、今回の耳コピとでは、目的が違いすぎるためである。

ここでの語義:
耳コピ = 通称「ごっすん」の楽曲を私が利用したこと。「魔理沙は大変なものを盗んでいきました (東方乙女囃子, IOSYS, 2006年)」のプロモFlash版 (約2分0秒) に準拠。この曲を利用する経緯については詳述を避ける。この耳コピ行為の期間自体は2019年11月24日に始まる。
CC = コントロールチェンジ (control change)。MIDIのパラメータ。先述の通り、ポルタメントはその065および005に与えられる。ピッチベンドはコントロールチェンジの一種でないが、130という解釈もある(2進数での7乗に当たる10進数での128の外なので疑わしい)。なお私の携帯電話の某社PCM音源での再生はピッチベンドを反映してもポルタメントを反映しないが、これが音源チップの問題か再生実行機能の問題かは未特定。
PC = プログラムチェンジ (program change)。MIDIのパラメータ。
Cn = Cが音高–ピッチ (pitch) の名であり、88鍵ピアノで最も低い音高CをC1 Cとする。88鍵ピアノよりも更に低い音域と高い音域を含むC-1 CからC9 Gの12 * 10 + 8 = 128音高で、MIDIのノートを打ち込むことができる。
MIDIシーケンサー = 打ち込みのためのGUIを備えたソフトが連想され、当動画ではDominoの「演奏モニター」画面が表示される。これはピアノロールやスコア(楽譜)ではない方式にすることでコントロールチェンジやパンポット (pan pot, panoramic potentiometer) の動きを示す意図である。楽器–インストゥルメントの名称のために、当動画用でファイルを書き換えたりもした。動画で表示される画面は、動画側 [1280 x 720] の解像度の中で元の撮影された解像度 [n x n] 125%(1.25倍)で表示をしている。余った範囲に簡単な説明の文章と、2020年2月3日に私が紙に描いた「アリス・マーガトロイド」というキャラクターの絵(プロモFlashで登場する主要キャラかつ楽曲の原作のテーマ曲を持つキャラ。ここで青いエプロン状の服を着ていない状態が描かれる。下着らしいものをシンプルなパンツとしたのは突発的に浮かんだイメージの正直な実行でありドロワーズなどで想像されなかったため。色の紫は七色を謳う人格に合わせてパンツに用いられた)をPCで加工したものを載せた。「横野真史公式ブログ・お絵かきカテゴリ記事」での掲載が遠い予定にある。






5月24日投稿『2019年6–7月 未公開の自作曲3つ:5拍子、7拍子、オーケストラ(メタル要素あり)』


抜粋:
音楽面について少し書く。
3曲の調–キーを順に記すと、1曲めがC minor, 2曲めがF minor, 3曲めがC minorである。
2曲めと3曲めは、それぞれ途中からディストーションのエレキギターが鳴ったり、激しいドラムが入ったりしているので、何らかのメタルやパンク系に相当すると私は思っている。
パワーコードは、完全5度…数学的に言うと構成する2つの音の周波数の関係が整数比 3:2 (音名の音とそれよりも半音7つ高いか低い音程、一例はド Cと高い方のソ Gの音程;並び替えの2:3 は完全四度と見ることができ、一例はソ Gと高い方のド Cの音程) = 1.5 に近似するために音波の振動 振れ幅のピークがどの和音よりも高頻度で重なり(高い音の周波数の振動3回に2度重なる)やすい特徴がある。
七音音階で長音階–メジャーと短音階–マイナーとを問わず、揃えやすい。
これらの点で極めて「渋みが少なく、分かりやすい音の組み合わせ」であるので、その用途をある程度、制約している。
その2曲では、ところどころに用いられるが、散発的で頻度が低めである。
作曲の中でそういったことも気にかけていた。
演奏においては、難易度が上がるかもしれない。
3曲の作曲期間には、楽器演奏経験が実質0と長年自負する私が楽器演奏(エア)も視野に入れた音楽理論研究を兼ねていたので、こういうことを気にかけていた。
リフのコード以外に、任意のチューニングの6弦で演奏可能な音域などの問題もあるが、演奏を前提にしてDAW打ち込みをする立場でもないので数理の精密さは成立していない。





6月20日投稿『2020年5月10日の調律実験(民謡音階+純正律、都節音階の再現)』


元々和風に知覚される音楽フレーズを、他の音階 scale および調律の音程 interval で鳴らすとどうなるか?
試した:

1. 民謡 min'yō (陽 , equivalent to major scale in the tradition) の音階を鳴らす
references: Min'yō_scale.mid from Wikimedia Commons
※ニロ抜き短音階と記したいものの その参照源に合わせたこの内容はイ短調の「ニゴ抜き短音階」になっている。他の参照源 v=PZ29tvIdpJU は、ハ短調のニロ抜き短音階を表す。

2. 純正律 just intonation で民謡の音階を鳴らす
references: Junseiritsu_scale.mid from Wikimedia Commons
※MIDIのピッチベンド pitch bend (ただしベンド幅 sensitivity 調整なし) の機能で音高ごとにその純正律の音響となるような数値で設定してから、再生している。ここでは客観的に分かる上記 references のうち Junseiritsu_scale.mid に依拠することにした。科学的な態度で数学的批判修正を行うこともできた(e.g. 第四音は -80 よりも -84 の方が正しい)が、その数値を変えないでいる。

3. 都節 miyako-bushi (陰 in, equivalent to minor scale in the tradition) の音階を鳴らす
references: Miyako-bushi_scale.mid from Wikimedia Commons

*4. 原曲の状態を鳴らす、都合により割愛

1, 2, 3 のいずれも、太鼓のような音で簡単なリズムを一様に取っている。
主音、A440, A minor scale (イ短調の短音階) であることに関しては現代的な簡明さに基づくので、問題視しない。
ただし、references: 1, 3 はDを主音とするような音階として表現するまま、私自身もその構成音高に随うので、そこは過誤があるかもしれない(1–2 は完全四度や完全五度の音程など、移調しても同じような構成ができる候補がある)。
和楽器の調律や雅楽に詳しくない私の一時的な興味での調査であり、他の詳細な比較はできないが、一応は客観的な説明と直感的な材料の例示ができたと思う。
私の方法に科学的な疑義ある者は、ご自身による実験を公開なさればよい。

内容についての音感から来る感想は、ご自由になさればよい。
「実験」の本題は、知覚や認知に関するものであるが、私の場合は自己完結とする。
つまり、私が感想を行うならば:
1 は、原曲の状態から改変がされているので、私が知る原曲との異なりを覚える。
2 は、1 に対して純正律の音程にされたことの有意な差が感じられない(和音が無いためか)。
3 は、「どこかで聴いたアノ和風」という感じで、大衆音楽にあまり聴かれないと思う(英語版Wikipediaでは陰 in 系統の調律が江戸期の発達した雅楽の有名な「さくらさくら」"Sakura Sakura"に使われているとする)。暗い和風ゲーム音楽向きな印象がある。

私による「和風」認知音楽理論の先行研究のブログ記事は以下である。

雑学になるが、1–2 は五音音階(倍音にならない1オクターブ中に5つの音高のみ)であると同時に半音(十二平均律目線でいう、任意の音高に対して約1.059倍の周波数である音程を持つ音高のこと)を含まないので、"anhemitonic scale"と呼ばれる。
英語版Wikipediaでは"Most of the world's music is anhemitonic, perhaps 90%."と出典つき(中身は不明)で説明される。
反対に、3 に紹介された都節音階は"a hemitonic scale"と説明される。
一目でわかる半音の音程は、当該箇所の映像、画像情報に見られる。

ここで、1–2 と 3 の両者の音階にある音を記す (カッコ内は十二平均律における音程の名称):
1–2. 第一音A (一度), 第二音C (短三度), 第三音D (完全四度), 第四音F (短六度), 第五音G (短七度)
3. 第一音A (一度), 第二音B♭(短二度), 第三音D (完全四度), 第四音E♭ (減五度), 第五音G (短七度)
小学生に分かりやすい説明では: 1–2 は「ラ、ド、レ、ファ、ソ」であり、3 は「ラ、ラのシャープまたはシのフラット、レ、レのシャープまたはミのフラット、ソ」である。
見ての通り、両者の音階は5つの音高のうち3つ=第一音 (一度), 第三音 (完全四度), 第五音 (短七度) の踏襲されている点が共通する。

その他:シーケンサーのソフトはDomino, 動画の企画は6月20日

追記:2020年7月13日
日本語版Wikipedia「音階」の記事(oldid=77623730)に「俗楽旋律考」が典拠だとする2つの音階の西洋音楽との対照が見られる。
主音がCである場合の音階が、次のように記される:
陽旋法・田舎節(俗楽) C D F G Bb(下降形 A G F D C)
陰旋法・都節(俗楽) C Db F G Bb(下降形 Ab G F Db C)
これらは七音音階目線からの度数 degree 表記も兼ねられる。
「下降形」というものが具体的に何の楽器でどう鳴らされるか、未だに判然としない。
「楽器」はピアノのような1オクターブを12の半音で満たすものやフレットレスの弦楽器などを除く(琴はどうにでも)。
旋律的短音階に同種のものがあるが、どう鳴らされて音楽的に実用されるものか、はっきりとした作品例を聴いたことが無い。
私自身が往年、これらの方向に関心が低いため、音楽学によほど傾注しないと、俄かには信じがたい情報ばかりである。
実際に2015年以前は和声理論をはじめとする音楽理論を半ば嫌っていたので、どこまで「雑学的に/疑問解決の意欲から/学問的意欲から…何にしても」傾注するかの差で、これは学ばれるかが分かれる。

なお、1-2 と 3 の音階の実験は主音がDで鳴らしたが、E (半音2つ上) にトランスポーズすることで全て白い鍵盤になるため、初心者向けには主音がE = ミであると教えやすくなる。
「さくらさくら」有名なフレーズは:ララシ、ララシ、ラシドシラシラファ (la la si, la la si, la si do si la si la fa)で演奏でき、3 の音階の主音が E = ミであるときの内容と同じ(説明用の主音ミ mi Eだけフレーズ中に用いられない)である。
隣り合う半音(周波数の比1:1.059の音程)が2組である以上、主音 E でのみ白い鍵盤でこの音階の一種を鳴らすことができる。
構成音のうちA = ラから鳴らす場合:
1-2. 第一音A (一度), 第二音B(長二度), 第三音D (完全四度), 第四音E (完全五度), 第五音G (長六度)
3. 第一音A (一度), 第二音B (長二度), 第三音C (短三度), 第四音E (完全五度), 第五音F (短六度)





※2月5日投稿『音高・ピッチ pitches の数 (学術的メモ帳ブログ記事2020-02-06用)』 https://youtu.be/JOBf018Wv14 は割愛する。







2020年6月20日に急遽、この記事スペースを設けた。
当日は、当日投稿動画の案を一気に書き上げて作成して投稿した。
その動画は2度エンコードされた。
英文中日本語ローマ字のためのイタリック体をAviUtlの制御文字 <s,,I> 任意の文字 <s> で適用すると、よくあるように謎のノイズや動画別素材の視覚的要素が部分的に表示される異常が起こる(それを回避するために大量のスペースを入れる必要がある)。
加えて、制御文字のある文字部分は「テキスト[標準描画]」というボードでの指定からズレたり、フェードアウト時に謎のビクつき(上下に数px動いて戻る)が発生する。
エンコードをし直すまでに、制御文字によるイタリック体をやめて別のテキスト要素の設置でイタリック体を適用した。

また当日は、動画投稿と無関係に「MIDIファイルのコメント要素と歌詞要素を相互に手動で変える方法」模索しようと、バイナリエディタ (binary/hex editor) でMIDIファイルを読み込んでバイナリのデータを解析したが、個人的に上手く行く手段を見つけることはできなかった。
内容物の同じコメント要素と歌詞要素を、MIDIシーケンサーのソフトで配置したり、片方を消したりしてデータの数列の変化などを観察したが、把握しても要素を抜き出す確実な数列が見られなかったし、減算の結果などでも実現されなかった。
データ系学問は特に参照していなくて私の感覚に任せているので、もう少し興味があれば学んでおこう。

2020年6月3日水曜日

2020年5月中の日記メモ

(前月に続き)本文をコメントアウトで公開します。ソースからご覧ください。ご不便をおかけします。

●口上
日記メモにはその便宜のために定型的な表現と語句を含んでいるが、それらは広く「日記メモの用語と解説」ページに説明がされている。
2019年9月29日における携帯電話の画面に光が入らなくなる故障から、非パソコンでの簡易なメモ(強い必要性があるものに限り紙・ペン)と自室での時刻確認ができない状況にある。
同じ事由で、写真は多くの場合にその場でのプレビュー参照ができずに撮影・保存・公開の段階に入ることになっているので、ぼやけ(加えてレタッチのシャープなどはデジタル画像処理の観点で「写真に対する使用はごまかし」なので別の理由が無い限り用いない)や被写体の位置が枠を外れる程度についてのご寛恕を願う。

2020年5月5日火曜日

調と性格: 導入編 (2019年10月8日起草、2020年5月3日移植)

調と性格 (Key and Character, Characteristics of Musical Keys): 導入編
2019年10月8日起草、自身のWordPress.com下ブログより2020年5月3日移植&調整

 調 key と調性 tonality *1 は多くの音楽の測る基準として、相対音感のある現代人の内的な部分で作用している。これは10歳以下の場合もそうであろう。またしかし、音楽批評や作曲に長けている人でないと、この概念を説明できなくもある。調の名は主音 tonic に依拠し、この主音はフレーズの1小節目の冒頭に表れるなど曲の調性を決定づけるもの(主音に加え全音階 diatonic scale に沿った音程 interval の音高 pitch を持つ)である。調性については、調と主音が何であるかを問わず、一定範囲のノート=拍 notes の音高が一定の関係性を示すことによって仮想される *2



from enwiki: Andalusian cadence

 一般にいう「コード進行 chord progression」に見られる、個別楽曲の展開は和声学の領分だが、和声 harmony・コード進行を構成している和音・コード chord の基礎の決定に調があることになる。譬えると、任意の進行が白黒濃淡である状態に対して調が具体的なコードで色付けすること coloring と私は考える。任意の進行の例は、i → VII → VI → V7(これは度数表記 degree。iは小文字であるから短調 minor を表す。大文字は長調 major。enwiki: Roman numeral analysisを参照)であり、これにAmという調を定義すると、Am → G → F → E7という具体的なコードの進行になる。または、既成の楽曲を構成するコードとその進行が色の付いた絵(or写真)であって、理論家が白黒濃淡のモノクロームに脱色した結果としての進行があるとも思う。これは筆者のカラーリングモデルの説明 *3 が別に必要なため、ここで詳述しない。



harmony, chord progression, degree, key signatures, chords

coloring, colouring, decoloring, decolouring

 調に関して、その性格 *4 をシャルパンティエ、マッテゾンらが述べていたという日本語版Wikipediaの情報を出発点とし、私が調査したところ、典拠が見当たったことを報告する。そして、参考のために日本語訳を私の方で行ったので、紹介する。著者はクリスティアン・シューバルト Christian Schubart (1739-1791)、 シャルパンティエ Charpentier (1643-1704)、マッテゾン Mattheson (1681-1764) らである。現代の音楽理論・音楽論・音楽学・認知音楽学の参考にしたい。

クリスティアン・シューバルト 述 Ideen zu einer Ästhetik der Tonkunst (1784–85; ed. by his son, Ludwig Schubart, Vienna, 1806) *5

シャルパンティエ 述 Les Règles de Composition (c. 1682) *6

マッテゾン 述 Das neueröffnete Orchestre (Hamburg, 1713)

※以上は2019年10月8日の調査の概要である。翻訳コンテンツを随時、公開するつもりである。文献それぞれのために、別途、記事として作成し、最終的に3つのコンテンツの比較の表でも作ってみよう。

 以上のように調とその性格が、過去の音楽理論家によって説明されていることが分かる。まず、現代人がこれを自己判断するためには、当時の調律 tuning についても検証した方がよい。周波数で数量化されたピッチの基準音は現代でA (A4) = 440 Hzであり、十二平均律を用いるが、過去において、バロック期 Baroque Era の一例にはA = 415 Hzがあり、現代の440 Hz + 十二平均律にとってちょうど半音(短2度)低い、というものなどがある *7。検証の後、彼らの説明が、彼らの感性に適っているものとして、どれほど普遍的な印象に適合するか、判断してみたい。彼らの場合は、実際の楽器ごとにある調の得意・不得意による楽曲を構成する楽器の偏りが、彼らの感性に影響を与えた可能性(理論上そうだが彼らが調の性格を自己判断する際にどういう手法を用いたか言及しているかどうか)も考慮された方がよい。

 簡潔に、私の1曲を例示してみよう。"At the End, a Star Falls"はカノン進行のアレンジを伴った和声を持つが、その調はF# major, つまり嬰ヘ長調=変ト長調である。これはドイツ語だとGes-Durである。シューバルト説は「私のその曲への思いにかなり近かろう」。シャルパンティエ説はこの調の言及なし。マッテゾン説はこの調の言及なし。*8 好きな曲の調を知り、上記の説明と照らし合わせながら聴くと、発見があるかもしれない。



Notes
*1… 任意の調が何であれ、その特徴を保つことを調性"tonality"と呼ぶが、現代日本では調の具体的な調の伴った状態のことを調性と呼ぶ例が多い(当記事Further reading節に載るページ2つに至っては調を調性と呼んでいるように見える)。私は概念的に区別している。客観的な説明としてはenwiki: Tonalityに多義的なものとして8つ示される (その出典はHyer, Brian. 2001. The New Grove Dictionary of Music and Musicians, second edition. という辞書の中の項目という。7つめに"keyness"という用語・造語?の導入もある)。なお、英語の接尾辞-ityと語形で対応するフランス語の"tonalité"(トナリテ)については、単に「調」を意味するためにも用いられて他にそのような言葉が存在しないので、先の括弧注釈に示す日本での用法はもしかするとフランス語に端を発するか。イタリア語"tonalità"(トナリタorトナリター。接尾辞-itàは最後の音節にアクセントがある)もフランス語と同様である(調の意味も調性の意味もある; tonalità maggiore と言えば長調を意味するなど it, fr)。ドイツ語に関しては"Tonart"と"Tonalität"で区別する。クラシックの音楽がフランスやイタリアやドイツ(語圏)よりも後から発達した英語圏では合理的な区分のための名称が定着しやすかったか。
*2… 8つ示される3つめ"Contrast with modal and atonal systems"では、歴史経緯による「調性音楽」が示される。20世紀以降に旧来の音楽の制限を厭う音楽家や実験的な音楽家が無調音楽を追求した(早い例ではフランツ・リスト1885年作の「Bagatelle sans tonalité 無調のバガテル」があるが隆盛はc. 1910から)ことと対比してクラシック音楽における17世紀-20世紀のいくらかの音楽が調性音楽であるとする。また、古代ギリシャ音楽やインドの音楽やいくらかの民族音楽や17世紀以前の教会音楽が「旋法=モード mode・モーダル modal」(e.g. フリギア旋法, ラーガ, 教会旋法) によるものという。Wikidataで英語版記事に結び付けられた日本版Wikipedia記事「調性音楽」も、本当は「17世紀-20世紀のいくらかの音楽」という狭義の調性音楽として見られるべきである。先にユーモアの一種で「私が小学生の頃に作曲しても、意識せずに無調音楽 atonal music, atonality となる」と書かれたことも、学問としては修正されるべきである。狭義の調性音楽でない旋法 modal を調性に含める向き(8つのうち1つめ"Systematic organization")もあり、これは今までの本文にいう調性の定義にごく近い。
*3… 仮説としては [A, A#, B, C... G#] という一般的な音階を構成するピッチ=音高12個を色の波長のスペクトル [赤 appr. 750 nm ないし紫 appr. 400 nm] (e.g. 虹) に重ねる。なおかつ明暗の次元を設け、長調と短調とを対置する。こうした時に、イ長調 A major key が明るい赤、イ短調が暗い赤、ホ長調がシアンor水色、ト長調が明るい紫、などとなる想定である。調 key のみならず、和音 chord に関しても適用されるべきかは未確定であるし、逆に、和音の構成音の関係(e.g. 調の長3度の音が主音である平行調)を考慮した色のバランスの方が一般的なコード進行を構成するコード=和音の親和性を示すこともできる。このカラーリングモデルの事柄は音の視覚的例示の科学的方法の案に過ぎなくて私も漠然と説明するに過ぎない。当記事では、「何となく色で区別できそう」という実用の範疇から、過度に精密なものとして行わないでおいた。精密なものとは、個々で具体的な数理に依拠してデジタルな色を同定すること(e.g. 明るい赤→RGB 255, 64, 64 = #FF4040、暗い赤→RGB 204, 16, 16 = #CC1010)である。この方法だと色彩の認知に関する人間的な性質を軽視することになるので、直観的に識別しやすくない部分があると思う。識別のしやすさや実用性を重視するならば、調ごとに用いられる一般的な和音にのみ相対的な色を指定することも可能である。
*4… 訳語。私はこの脈絡での英単語"character"を「印象」と翻訳したが、一般には「性格」というので、そう変更した。"characteristics"によせて「特徴」や「特性」とも考えられる。
*5… WW2以降に性格説の部分が Rita Steblin によって英訳されて A History of Key Characteristics in the Eighteenth and Early Nineteenth Centurie に載るという。
*6… WW2以降に英語訳 M.-A. Charpentier's "Règles de Composition" が作られた (1967 Lillian M. Ruff) そうだが詳細不明。
*7… 十二平均律は"twelve-tone equal temperament"であり"12-TET"などともいう。いわゆる「音律」の一種であるが、他の音律には音の周波数の比(ratio, 音楽家は振動比とも呼ぶ)を乗根(十二平均律ならば2の12乗根。440 HzであるA4を1と仮定してA#4が12乗が2 = A5になるような乗根でありA#4の実数はAの1.059463...倍 = 466.1637... Hz)で分けるような"temperament" (ラテン語の動詞temperoから派生。正確に分割するといった意味。時間を意味するtempusが更なる起源) 以外にも、「ピタゴラス音律 Pythagorean tuning」や「純正律 just intonation」といったものがあるが、時代・地域・音楽家ごとに何を用いていたか私はまだ詳しくない。バロック期にどういう調律がされていたかは、バッハ J. S. Bach が平均律を示唆するような名称の作品集を著しているものの、事実としては定かでない(現代にも音楽理論家がこのテーマの研究を続けていて仮説が多く存在する)。バロック期に音楽は、器楽も数理方面も様々な発展が見られるので、個人的には多様であったろうと思う。あえて言うと、十二平均律は近代的に合理的な香りがある。
*8… 他に有るところを探し、ヘルムホルツ Hermann von Helmholtz (1821-1892) という者の著述 Tonempfindungen  (英語の一文献 p. 551モンテネグロ・セルビア語の一文献 p. 84を閲覧;ドイツ語の原著3つの版ではどこか不明) を見た。嬰ヘ長調と変ト長調とのどちらもが少し異なって言及されている(十二平均律とは限らない?)が、大まかに私が捉えてその説は「私のその曲への思いに割と近かろう」。彼は19世紀中葉に活躍した人物であって私が過去記事でも言及したようなヤングさんの如き物理学者の顔を持つため、かなり科学的な見方をするはずと思ってしっかりと前後の文脈を見ると、やはり懐疑的な立場でこれが書かれたようである。以下は、彼が載せた調の性格の表"this Table"の後にある記述の引用:

In reading over this Table it is impossible not to feel that the character, often contradictory, arises from the reminiscence of pieces of music in those keys, as the author indeed admits (ib. p. 22). Such a distinction as that made between F♯ and G♭, which, in equal temperament, is a mere matter of notation, but is here made to yield incompatible results, shews that the writer was thinking more of treatment than of actual sound. This is confirmed by his saying (ib. p. 26) : ‘We shall often find that the general character of a key may be changed by peculiarities and idiosyncrasies of the composer ; and thus a key may appear to possess a cheerful character in the hands of one writer, whilst another composer infuses into it a melancholy expression ; all depends on the treatment, on the individual feeling of the composer, and on his acute understanding of the characteristic qualities of the key he employs.’ The writer then goes on to consider the effect of rhythm and time, and the different characters which he assigns to their varieties, independently of the key employed, clash so much with the preceding that it is difficult to know what is supposed to belong to one and what to the other. 



Misc
 嬰ホ長調 = E# major などは theoretical key, impossible key と呼ばれる。理論調、理論上の調、無理調、不可能調とでも翻訳しようか。この話題に英語版Wikipedia記事があっても、日本語版は無い。

 当記事で2番目の画像に「嬰ニ長調 = D# major」を載せようとしたが、一旦作成後にそれは楽譜において用いられないものと分かった。よって、同名異音 (enharmonic) とさえされず唯一の正しい名とみなされる「変ホ長調 = E♭ major」に変えた。

 なお、慣例でハッシュまたはナンバー記号 (hash or number sign) # (U+0023) をシャープのために用いた。正しくは ♯ (U+266F) である。フラットは ♭ (U+266D) でよいが、世間の一部では b (Bの小文字) を代用する場合が有る。



Further reading







起草日:2019年10月8日

当記事は外部の名義で投稿するために起草された。
具体的な方式は、Automattic社によるブログホスティングサービスの WordPress.com で供給されるブログ(横野真史の活動と無関係のためリンクは付けない)での投稿である。
翌月初頭に投稿できる状態であったが、別の条件から投稿を保留していた。
今までに外部の名義で投稿することなく(一瞬だけ投稿したのち下書きに戻す?)、2020年3月には横野真史名義で投稿する考えを固めた。

2020年5月3日から移植して調整(適正化。加えて小規模な修正や更新)を始めた。
当時のスタイルは、この公開される記事においてもほとんど継続させることにしたが、WordPress.com での「ブロック block」機能によるHTML書式のうちブロック標識コメントアウト要素 (e.g. 段落 paragraph のための <!-- wp:paragraph --> … <!-- /wp:paragraph -->) は除去してある。
当記事の一部に見られるよう、調と性格の本題としての歴史的文献からの翻訳文を投稿する予定がある。

当記事のカラーリングモデルと光のスペクトルについては、過去記事2020-02-05にも説明がある。
右画像は高名な科学者・ニュートン説およびその原著における図を私が着色したものであるが、彼の説以外の提示もある。