2020年6月20日土曜日

音楽理論とデジタル作曲実技に関連する動画の説明文

二三の動画の説明文を投稿日の昇順で掲載する。



3月5日投稿『MIDIシーケンサー:ピッチベンド pitch bend, ポルタメント portamento, パンポット pan pot の多用』


既存の私の楽曲で行われていないことを今回の耳コピで、次のように私は行った:
・高音の矩形波 (square wave) にポルタメント (portamento, CC065および005) をかけた。
・「知らないわ~」パート(原曲1:30-)中の鋸歯状波(鋸波 sawtooth, saw wave)は同じフレーズで2度鳴るものにポルタメントをかけた。
・ボーカルの音色はバグパイプ (PC110: Bagpipe)とシャナイ (PC112: Shanai, shehnai) とを作曲中に何度も変更して聴き、最終的に後者にした。音響的には原曲の声よりも1オクターブ高い(周波数が約2倍)。
・ボーカルには大量にピッチベンド (pitch bend) を付与して原曲の声に擬することを望んだ。ただし、スペクトログラムなどで音程を精密に計測したわけでない。「上海」と4回言うパート(原曲1:02-)は1回ごとに微分音のように少しずつ音程をずらして発しているように私は感じたが、ノート周波数とピッチベンドの相対比較でピッチベンド値を決めたわけでない。
・冒頭のキックには矩形波や鋸歯状歯をベース様に低音 (C1 F = 29が基本) で鳴らしたり、ゴーストノートを重ねたりした。
・「イーアルサン~」パート(原曲0:10-)中のパッド系シンセ音はカットオフ(ブライトネス)のマイナス値を適宜に加えた。

これらはその新しさの範囲内での訓練となったろう。
(2019年12月29日までに上記に当たる作業が完了したと私は判断する)
作曲の可能性を拡げることになると思うが、恐らく実行されようものは多くない。
私の欲する曲作りと、今回の耳コピとでは、目的が違いすぎるためである。

ここでの語義:
耳コピ = 通称「ごっすん」の楽曲を私が利用したこと。「魔理沙は大変なものを盗んでいきました (東方乙女囃子, IOSYS, 2006年)」のプロモFlash版 (約2分0秒) に準拠。この曲を利用する経緯については詳述を避ける。この耳コピ行為の期間自体は2019年11月24日に始まる。
CC = コントロールチェンジ (control change)。MIDIのパラメータ。先述の通り、ポルタメントはその065および005に与えられる。ピッチベンドはコントロールチェンジの一種でないが、130という解釈もある(2進数での7乗に当たる10進数での128の外なので疑わしい)。なお私の携帯電話の某社PCM音源での再生はピッチベンドを反映してもポルタメントを反映しないが、これが音源チップの問題か再生実行機能の問題かは未特定。
PC = プログラムチェンジ (program change)。MIDIのパラメータ。
Cn = Cが音高–ピッチ (pitch) の名であり、88鍵ピアノで最も低い音高CをC1 Cとする。88鍵ピアノよりも更に低い音域と高い音域を含むC-1 CからC9 Gの12 * 10 + 8 = 128音高で、MIDIのノートを打ち込むことができる。
MIDIシーケンサー = 打ち込みのためのGUIを備えたソフトが連想され、当動画ではDominoの「演奏モニター」画面が表示される。これはピアノロールやスコア(楽譜)ではない方式にすることでコントロールチェンジやパンポット (pan pot, panoramic potentiometer) の動きを示す意図である。楽器–インストゥルメントの名称のために、当動画用でファイルを書き換えたりもした。動画で表示される画面は、動画側 [1280 x 720] の解像度の中で元の撮影された解像度 [n x n] 125%(1.25倍)で表示をしている。余った範囲に簡単な説明の文章と、2020年2月3日に私が紙に描いた「アリス・マーガトロイド」というキャラクターの絵(プロモFlashで登場する主要キャラかつ楽曲の原作のテーマ曲を持つキャラ。ここで青いエプロン状の服を着ていない状態が描かれる。下着らしいものをシンプルなパンツとしたのは突発的に浮かんだイメージの正直な実行でありドロワーズなどで想像されなかったため。色の紫は七色を謳う人格に合わせてパンツに用いられた)をPCで加工したものを載せた。「横野真史公式ブログ・お絵かきカテゴリ記事」での掲載が遠い予定にある。






5月24日投稿『2019年6–7月 未公開の自作曲3つ:5拍子、7拍子、オーケストラ(メタル要素あり)』


抜粋:
音楽面について少し書く。
3曲の調–キーを順に記すと、1曲めがC minor, 2曲めがF minor, 3曲めがC minorである。
2曲めと3曲めは、それぞれ途中からディストーションのエレキギターが鳴ったり、激しいドラムが入ったりしているので、何らかのメタルやパンク系に相当すると私は思っている。
パワーコードは、完全5度…数学的に言うと構成する2つの音の周波数の関係が整数比 3:2 (音名の音とそれよりも半音7つ高いか低い音程、一例はド Cと高い方のソ Gの音程;並び替えの2:3 は完全四度と見ることができ、一例はソ Gと高い方のド Cの音程) = 1.5 に近似するために音波の振動 振れ幅のピークがどの和音よりも高頻度で重なり(高い音の周波数の振動3回に2度重なる)やすい特徴がある。
七音音階で長音階–メジャーと短音階–マイナーとを問わず、揃えやすい。
これらの点で極めて「渋みが少なく、分かりやすい音の組み合わせ」であるので、その用途をある程度、制約している。
その2曲では、ところどころに用いられるが、散発的で頻度が低めである。
作曲の中でそういったことも気にかけていた。
演奏においては、難易度が上がるかもしれない。
3曲の作曲期間には、楽器演奏経験が実質0と長年自負する私が楽器演奏(エア)も視野に入れた音楽理論研究を兼ねていたので、こういうことを気にかけていた。
リフのコード以外に、任意のチューニングの6弦で演奏可能な音域などの問題もあるが、演奏を前提にしてDAW打ち込みをする立場でもないので数理の精密さは成立していない。





6月20日投稿『2020年5月10日の調律実験(民謡音階+純正律、都節音階の再現)』


元々和風に知覚される音楽フレーズを、他の音階 scale および調律の音程 interval で鳴らすとどうなるか?
試した:

1. 民謡 min'yō (陽 , equivalent to major scale in the tradition) の音階を鳴らす
references: Min'yō_scale.mid from Wikimedia Commons
※ニロ抜き短音階と記したいものの その参照源に合わせたこの内容はイ短調の「ニゴ抜き短音階」になっている。他の参照源 v=PZ29tvIdpJU は、ハ短調のニロ抜き短音階を表す。

2. 純正律 just intonation で民謡の音階を鳴らす
references: Junseiritsu_scale.mid from Wikimedia Commons
※MIDIのピッチベンド pitch bend (ただしベンド幅 sensitivity 調整なし) の機能で音高ごとにその純正律の音響となるような数値で設定してから、再生している。ここでは客観的に分かる上記 references のうち Junseiritsu_scale.mid に依拠することにした。科学的な態度で数学的批判修正を行うこともできた(e.g. 第四音は -80 よりも -84 の方が正しい)が、その数値を変えないでいる。

3. 都節 miyako-bushi (陰 in, equivalent to minor scale in the tradition) の音階を鳴らす
references: Miyako-bushi_scale.mid from Wikimedia Commons

*4. 原曲の状態を鳴らす、都合により割愛

1, 2, 3 のいずれも、太鼓のような音で簡単なリズムを一様に取っている。
主音、A440, A minor scale (イ短調の短音階) であることに関しては現代的な簡明さに基づくので、問題視しない。
ただし、references: 1, 3 はDを主音とするような音階として表現するまま、私自身もその構成音高に随うので、そこは過誤があるかもしれない(1–2 は完全四度や完全五度の音程など、移調しても同じような構成ができる候補がある)。
和楽器の調律や雅楽に詳しくない私の一時的な興味での調査であり、他の詳細な比較はできないが、一応は客観的な説明と直感的な材料の例示ができたと思う。
私の方法に科学的な疑義ある者は、ご自身による実験を公開なさればよい。

内容についての音感から来る感想は、ご自由になさればよい。
「実験」の本題は、知覚や認知に関するものであるが、私の場合は自己完結とする。
つまり、私が感想を行うならば:
1 は、原曲の状態から改変がされているので、私が知る原曲との異なりを覚える。
2 は、1 に対して純正律の音程にされたことの有意な差が感じられない(和音が無いためか)。
3 は、「どこかで聴いたアノ和風」という感じで、大衆音楽にあまり聴かれないと思う(英語版Wikipediaでは陰 in 系統の調律が江戸期の発達した雅楽の有名な「さくらさくら」"Sakura Sakura"に使われているとする)。暗い和風ゲーム音楽向きな印象がある。

私による「和風」認知音楽理論の先行研究のブログ記事は以下である。

雑学になるが、1–2 は五音音階(倍音にならない1オクターブ中に5つの音高のみ)であると同時に半音(十二平均律目線でいう、任意の音高に対して約1.059倍の周波数である音程を持つ音高のこと)を含まないので、"anhemitonic scale"と呼ばれる。
英語版Wikipediaでは"Most of the world's music is anhemitonic, perhaps 90%."と出典つき(中身は不明)で説明される。
反対に、3 に紹介された都節音階は"a hemitonic scale"と説明される。
一目でわかる半音の音程は、当該箇所の映像、画像情報に見られる。

ここで、1–2 と 3 の両者の音階にある音を記す (カッコ内は十二平均律における音程の名称):
1–2. 第一音A (一度), 第二音C (短三度), 第三音D (完全四度), 第四音F (短六度), 第五音G (短七度)
3. 第一音A (一度), 第二音B♭(短二度), 第三音D (完全四度), 第四音E♭ (減五度), 第五音G (短七度)
小学生に分かりやすい説明では: 1–2 は「ラ、ド、レ、ファ、ソ」であり、3 は「ラ、ラのシャープまたはシのフラット、レ、レのシャープまたはミのフラット、ソ」である。
見ての通り、両者の音階は5つの音高のうち3つ=第一音 (一度), 第三音 (完全四度), 第五音 (短七度) の踏襲されている点が共通する。

その他:シーケンサーのソフトはDomino, 動画の企画は6月20日

追記:2020年7月13日
日本語版Wikipedia「音階」の記事(oldid=77623730)に「俗楽旋律考」が典拠だとする2つの音階の西洋音楽との対照が見られる。
主音がCである場合の音階が、次のように記される:
陽旋法・田舎節(俗楽) C D F G Bb(下降形 A G F D C)
陰旋法・都節(俗楽) C Db F G Bb(下降形 Ab G F Db C)
これらは七音音階目線からの度数 degree 表記も兼ねられる。
「下降形」というものが具体的に何の楽器でどう鳴らされるか、未だに判然としない。
「楽器」はピアノのような1オクターブを12の半音で満たすものやフレットレスの弦楽器などを除く(琴はどうにでも)。
旋律的短音階に同種のものがあるが、どう鳴らされて音楽的に実用されるものか、はっきりとした作品例を聴いたことが無い。
私自身が往年、これらの方向に関心が低いため、音楽学によほど傾注しないと、俄かには信じがたい情報ばかりである。
実際に2015年以前は和声理論をはじめとする音楽理論を半ば嫌っていたので、どこまで「雑学的に/疑問解決の意欲から/学問的意欲から…何にしても」傾注するかの差で、これは学ばれるかが分かれる。

なお、1-2 と 3 の音階の実験は主音がDで鳴らしたが、E (半音2つ上) にトランスポーズすることで全て白い鍵盤になるため、初心者向けには主音がE = ミであると教えやすくなる。
「さくらさくら」有名なフレーズは:ララシ、ララシ、ラシドシラシラファ (la la si, la la si, la si do si la si la fa)で演奏でき、3 の音階の主音が E = ミであるときの内容と同じ(説明用の主音ミ mi Eだけフレーズ中に用いられない)である。
隣り合う半音(周波数の比1:1.059の音程)が2組である以上、主音 E でのみ白い鍵盤でこの音階の一種を鳴らすことができる。
構成音のうちA = ラから鳴らす場合:
1-2. 第一音A (一度), 第二音B(長二度), 第三音D (完全四度), 第四音E (完全五度), 第五音G (長六度)
3. 第一音A (一度), 第二音B (長二度), 第三音C (短三度), 第四音E (完全五度), 第五音F (短六度)





※2月5日投稿『音高・ピッチ pitches の数 (学術的メモ帳ブログ記事2020-02-06用)』 https://youtu.be/JOBf018Wv14 は割愛する。







2020年6月20日に急遽、この記事スペースを設けた。
当日は、当日投稿動画の案を一気に書き上げて作成して投稿した。
その動画は2度エンコードされた。
英文中日本語ローマ字のためのイタリック体をAviUtlの制御文字 <s,,I> 任意の文字 <s> で適用すると、よくあるように謎のノイズや動画別素材の視覚的要素が部分的に表示される異常が起こる(それを回避するために大量のスペースを入れる必要がある)。
加えて、制御文字のある文字部分は「テキスト[標準描画]」というボードでの指定からズレたり、フェードアウト時に謎のビクつき(上下に数px動いて戻る)が発生する。
エンコードをし直すまでに、制御文字によるイタリック体をやめて別のテキスト要素の設置でイタリック体を適用した。

また当日は、動画投稿と無関係に「MIDIファイルのコメント要素と歌詞要素を相互に手動で変える方法」模索しようと、バイナリエディタ (binary/hex editor) でMIDIファイルを読み込んでバイナリのデータを解析したが、個人的に上手く行く手段を見つけることはできなかった。
内容物の同じコメント要素と歌詞要素を、MIDIシーケンサーのソフトで配置したり、片方を消したりしてデータの数列の変化などを観察したが、把握しても要素を抜き出す確実な数列が見られなかったし、減算の結果などでも実現されなかった。
データ系学問は特に参照していなくて私の感覚に任せているので、もう少し興味があれば学んでおこう。

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よって、2019年5月12日からコメントを受け付けなくしました。
あしからず。

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