2020年12月13日日曜日

2020年下半期の、私に関係しそうだった国際情勢トピック

・米大統領選挙におけるジム・ワトキンス氏 (Jim Watkins, Q and QAnon)
・アルメニアとアゼルバイジャンの係争地に関する戦闘
・中国で大きな話題になったさいたま市議



◆米大統領選挙におけるジム・ワトキンス氏 (Jim Watkins, Q and QAnon)
2014年にSoundCloudで私から彼にコメントしたことがあり(2014年5月5日12時47分UTC+00:00投稿の"Kenmo")、無機的とはいえ彼 (表示名はXerxes Watkins) からフォローされている。
"Aozora"に彼がコメントを投稿したことがあるとも記憶していたが、これについては事実確認できない。
He/his account follows me/my account on SoundCloud (サンクラで彼のアカウントは私のアカウントをフォローしている)


彼はフィリピンに長く住んだ過去があり、配偶者が韓国系の女性とされ、息子のうち1人はロン (Ron Watkins) と名乗っている。
かつて2ちゃんねる (2ch, 2channel)と知られた現在の5ちゃんねる (5ch.net) というインターネット掲示板サイトの管理人であり、2ちゃんねる設立者の西村博之–ひろゆき氏との対立はよく知られるが、2016年以降には 8chan というふたば (2chan)–4chan系の一画像掲示板サイトの運営を行うことで、その創設者フレドリック・ブレナン氏 (Fredrick Brennan) とも対立したこと(本人ツイート例https://twitter.com/fr_brennan/status/1320796812383416321)が知られる。
西村氏に関しては4chan設立者のmoot氏から4chanの運営を引き継いでもおり、非日本語ふたば系画像掲示板サイトでも両氏の運営に競合があろう。
8chanはロンが運営し(5chでよく知られるCode Monkeyは彼のTwitterアカウント名@CodeMonkeyz に類似)、2019年8月に無くなって2019年11月から8kunの名で再開された。
2020年のアメリカ大統領選挙の情勢が進むにつれ、世間で"QAnon"(Qアノン、キューアノン) というワードが頻繁に見られるようになったが、"Q"という投稿者を信奉する"Anonymous"の人々を指す。
"Q"の一次資料は初めに4chanであったが、その後は8chan (8kun) にのみあり、現在の管理を行うジム・ワトキンス氏およびロンの親子(ロンは大統領選挙当日の11月3日に辞めたともされる)にしか真偽の検証はできないと言われる。
そのため、彼らと"Q"(正体が複数人による共同であるとも)の親密さや同一性は取り沙汰される。
これについて私は詳述しないでおくが、大統領選挙の期間にはワトキンス親子に多少の注目がされてきた。
YouTubeのWatkins Xerxesというワトキンス氏の個人チャンネル(聖書の話題が多く共和党支持者らしさはある)は、彼がカルト的人気を得たかというと、そうでもない。 ブレナン氏はロンのParler (アメリカでの保守系の人が好むとされるSNS, 「パーラー like "parlor"」またはフランス語不定詞 French infinitive verb で「パルレ」に似せて「パーレイ」と発音) での投稿(実際には認証済みの他者 Aubrey Cottle が認証後に名前やアイコンなどを変えてロンになりすましをしたそう、この件で12月12日JSTないしPT現在もロンはParlerの問題点をあげつらっている 1, 2)について、Twitterでさらしツイートをすること (1, 2) があった。
色々と怪しい対立が見られる。
ちなみに、ジムのツイッターは@RQueenincである(2020年12月現在)。




◆アルメニアとアゼルバイジャンの係争地に関する戦闘 (2020 Nagorno-Karabakh war)
萌えの典籍「萌集記・街の女人篇・説法十箇の事・九」(仮設地で公開)で南コーカサスについて言及したが、この経緯は2018年1月に私がアルメニアに強い興味をいだいたことにある。
精神においては言葉が国の領域*1を示す。
例えば、インターネットという代物はワンクリックで世界中のサイトに行かせるのに、ある利用者がその人の解せない言語であると思うと、その言語のサイトを利用したくないであろう*2
国境なき国境であり、潜在的国境の顕在化である。
そのように、言葉が国の領域を示し、現代はなおさらであると観てほしい。
そのほか、例えば、一神教の旧約聖書にも、戦闘で勝利した民族が、敗北した民族のうちの逃げようとする者を境界の川で監視し、川を渡る者に特殊な発音を試させ、敗北した民族の発音の者を殺したという話がある*3
そのほか、現代、カスピ海と黒海とに挟まれた「コーカサス」という地域には小さい国が3つから6つ存在する*4が、みな1990年代までは旧ソ連の領土であった。
コーカサスの国のうち、アルメニアは印欧語族・アルメニア文字、アゼルバイジャンはテュルク語族・ラテン文字かペルシャ文字、グルジア(ジョージア)は南コーカサス語族・グルジア文字の言語を用い、みな民族・言語・文字・信仰の意識に乖離が大きい。
アルメニア系の人(ハイ)であれ、アゼルバイジャン系の人(アゼリ)であれ、グルジア系の人(カルトヴェリ)であれ、みな直近2000年以内に幾度と民族の集合と離散とを経験しているが、彼らには異なる言語や信仰があったから、今も民族のアイデンティティを保って住み分けをする。
アゼルバイジャン領だったナゴルノ・カラバフはアルメニア人=アルメニア語話者が多かったので、アゼルバイジャン人=言語の異なるであろう民族を追い出して「アルツァフ」としての独立性を得ている*5
このように、言語は国を実際の意味で分けることもできた。

(以下は対応する注釈の引用)
*1…一般的な「国(國)」という言葉は、英語でいう"country" (地理的 land) と"nation" (複合的) と"state" (政治的) で表示される様々な概念を含んでいる。先に人々が国土を決め、国土ごとに文明が発達した後の政治が国土を決めることもあるなど、大概は双方向であるので、ここで問題外である。仮に政治的国土や国家に国の概念を託しても、当人の日常生活や思考において常に支持されてはいない。現代人はその自覚が低くて「いつも政治や科学という合理的な基準に依拠している」という錯覚を持つ傾向にあるが、決してそうでない。所詮、国とは当人の知能・精神(心)に決められる。拾主は、ここでスキーマ的"schematic"な国=知能・精神における国・ふるさとを闡明している。そこから、自国(という名の当人が取った一面)を好く・嫌う、他国(という名の当人が取った一面)を好く・嫌うといった好き嫌いの問題を説明できるようになる。
*2…「よほどの理由や目的や解決策を持たない限り」、その人はその言語のサイトを利用したくないであろう。解決策としてはブラウザの翻訳機能を用いるか、サイト全体翻訳サイトを用いるか、となろう。この解決策は暫定的である。いわば「言語の差という名の国境」を暫定的に通り抜けられるパスポートか、一時的な滞在のための手続きをするようなものである。
*3…いわゆる「シボレス"Shibboleth" (原語・ヘブライ語の学問的な翻字は šib·bō·leṯ)」。その語は士師記(Book of Judges) 12:6に出る。敗戦民族側の発音は「スィボレス"Sibboleth" (sib·bō·leṯ)」として、後部歯茎摩擦音[ʃ]と歯茎摩擦音[s]との異なりがある。シとスィという二者は、ヘブライ文字で「ש (Shin)」と「ס (Samekh)」である。前者は現代に、点を右上に付して שׁ ‬シ発音、左上に付して שׂ スィ発音に分けることもできる。この種の伝承に懐疑的な人に告ぐ。伝承が直接に事実を書かなかったとしても、同様のことが往古より行われてきた事実は存在することが推量できる。あるいは、何らかの歴史的事実に比較できる。
*4…2018年現在のコーカサス(カフカース、カフカス)地域で、広く承認された独立国としてアルメニア"Armenia"、アゼルバイジャン"Azerbaijan"、ジョージア"Georgia"が挙げられる。日本政府に承認されないものとしてアルツァフ"Artsakh"とアブハジア"Abkhazia"と南オセチア"South Osettia"が挙げられる。これらはコーカサス山脈の南に位置し、南コーカサス(ロシア語"Закавказье" ザカフカジエ、カフカスの山のあなた)とも総称される。みな単一の国家として見れば、共和制である。6つの国の領域を総合しても、カスピ海対岸のトルクメニスタンの国土にスッポリと収まりそうなほど、狭い土地に密集している(面積にして約186,100平方キロメートルと数字上は本州・朝鮮半島・グレートブリテン島よりも小さい)。それら国々の簡単な特徴について、直後に拾主が説いた。説明すると煩瑣になることは、すぐ傍にあるトルコ語地域・クルド語地域・ペルシャ語地域・現在ロシア連邦に属する北コーカサス地域にも様々な特色を見出せることである。それらのうちのクルディスタンやチェチェンに関する現代史で、推して知るべきである。なお、過去のコーカサスにはイベリア"Iberia Ἰβηρία"やアルバニア"Albania Ἀλβανία"というラテン語・ギリシャ語名(外名 exonym)を持つ王国もあったが、当然、現代のイベリア半島やアルバニア共和国とは不干渉で発生した名である。
*5…類例がある。現在でも独立性が低いアゼルバイジャン領のナヒチェヴァン自治共和国は、アゼルバイジャン本土に面しない・アルメニアとトルコとイランとによって囲まれた飛び地であるが、ソ連崩壊のころのアルメニア - アゼルバイジャン間の闘争においてアルメニア人=言語の異なるであろう民族が追い出された。闘争以前にナヒチェヴァンのアルメニア人が2,000人ほどいたとして、2009年の統計によればナヒチェヴァンに住んでいるアルメニア人は6人にまで減っている(主題を理解しやすく例示することが目的なので例示された統計に関する細かい検証までをしない)。


2018年1月当時、私は「普段、日本での報道の無いような国だが、実際は大変そう」と思う程度でいた。
同年4月以降に民主革命運動があって大統領から首相に就任して間もないセルジ・サルキシャン氏が辞任することで、世界の一部の民主派の人々が注目したと思う。
同年9月上旬に日本国の当時の河野外務大臣–外相が南コーカサス歴訪をして各国の首相(ニコル・パシニャン氏を含む)などと会談していたこと (1, 2, 3) を私はよく覚えている。
今回の戦闘のさなか、2020年10月29日UTC+00にアルメニアの日本文化愛好家コミュニティが日本語でのビデオメッセージ (https://www.youtube.com/watch?v=J62Mc5GOyEQ) を作成している。
動画タイトルの半角スペースが異様なので、普通の日本人はこれを知るには難しい。
動画内容は、彼らの見解や主張を確認するものである(同情できるかは別問題)。


アゼルバイジャンに関しては、2019年(令和元年)即位礼正殿の儀のNHK中継放送(私はNHK NEWS WEBの配信で視聴)におけるアゼルバイジャンのメディアの女性がインタビューを受け、可愛らしく日本語で「(前略)いい人たちだから、アゼルバイジャンは日本人と日本は好きです、ね」とメロメロ攻撃をしていたことを私は強く記憶に残した(ジェンダー論として私の表現はあまりよくないが正直に近い印象)。


この即位礼正殿の儀では各国から迎賓が参列したが、アルメニアからは大統領のアルメン・サルキシャン氏であり、彼は安倍総理大臣と会談したり(他の多くの国の人もそうしたように)、東京のアルメニア人コミュニティに会ったり、増上寺に参ったりとしたようである。


日本には、南京事件(南京大虐殺)をめぐる議論など、アルメニアに譲歩すれば「何様だ」と思われそうな課題が山積している。
通常、そういう近代史の負の側面を抜きにしてハスミック・ムラジャン (Hasmik Muradyan, 綴りは本人の弁論大会出演動画の題名より) 氏や知識人などアルメニアの人の一部は、ディアナ・アブガル女史(Diana Abgar or Apcar, ダイアナ・アプカーとも、イギリス統治下のビルマ=ミャンマー生まれアルメニア系のアルメニア第一共和国在日アルメニア名誉領事、神戸に住んで横浜外国人墓地に眠る人)の件で日本に恩があると思っている。
女史は、オスマン・トルコ(オスマン帝国)末期におけるアルメニア人虐殺の時に対象地域のアルメニア人たち(伝統的アルメニアの西部にあたるヴァン湖、ティグリス川などを含む範囲)を、難民としてアメリカ合衆国などへ逃がそうと、日本を経由地とするために日本に住みながら政府に要望するなどの行動をし、実現させたことで知られる。


国際的には、旧日本軍による南京事件についていわゆる20万人以上(特に30万人)の現地の住民が殺されたという推計値さえ否定的であると、ナチス・ドイツのホロコースト(ユダヤ人虐殺)やオスマン・トルコのアルメニア人虐殺の否定 (Holocaust denial, なぜか"The Holocaust"のようには定冠詞を付けない、enwiki: Armenian Genocide denial, Nanjing Massacre denial) と同一視されるらしい。
中国におけるウイグル人と朝鮮人(ウイグル族、朝鮮族)に代表される言語と文化の問題(2020年は中国のウイグル人に関する世界的な報道や抗議が多くあった)は、日本におけるアイヌ人と帰化および在日朝鮮人の文化保護や朝鮮学校に関する問題に比較される。
カリフォルニア州グレンデール市 (Glendale, California) アルメニア系アメリカ人市長 Ara Najarian または Laura Friedman と Statue of Peace (従軍慰安婦少女像)のことは、日本のネット右翼の間で有名である。
アメリカ合衆国にアルメニア系の人は、女史の行動以前から移民が続けてきたようで、各個人の祖先がどうかはかりづらいが、「民族主義の強いアルメニア人たちが旧日本軍に関する悪い噂を知れば彼らは確実に中国や朝鮮国家に同情する」と2018年当時から私は思う。
アルメニア国家の親ロシアという立場についてはここで問題にしない。

南コーカサスの一般に承認された3か国(旧ソビエト連邦の社会主義共和国でもある):アルメニアとアゼルバイジャンとジョージアは、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の感染者数に関してアルメニアが5月以降、圧倒的に多数であったが、11月以降はジョージアアゼルバイジャンが劇的に感染者数を増やして12月以降は順にアルメニアより多くなった。
人口100万人あたり感染者数(割合)では、12月12日現在もアルメニアが最も高い(それぞれ総人口は:290万、1010万、390万)。
6月中などは防疫に関してアルメニアが劣ってジョージアが優れているなどという日本の一般人の意見も聞かれていたが、人口比でもジョージアがアルメニアに肉薄している現状からは、意味の無い話と理解できる。
防疫の優劣は一時的に有効な側面もあるが、政治的工作:隠蔽や偽装などを疑う方がよく、国内感染0で人口最上位国の北朝鮮とトルクメニスタンが、彼の国内人のみを集めた集会でも国家元首(大統領、労働党委員長)がマスク着用でいるか社会的距離を取るなどした写真が出回っている (後者の例 1, 2) わけで、この2か国の現状を疑う方が有効である;疑ってその疑念に対する確かな証拠が出るということも無いが。
参照源:https://www.worldometers.info/coronavirus/





◆中国で大きな話題になったさいたま市議
私は2015年5月14日投稿『日本を変革する大潮流がさいたま市・大宮地域より沸々と沸き起こる!(地方政治編)』で北区選出のさいたま市議会議員である吉田一郎氏を特集した。
他にも、Ld1. 2019-08-19など、吉田氏を紹介するような記事や日記メモや追記欄はある。
吉田氏の2010年6月3日の市議会における中国語普通話(北京語)や広東語や福建語や韓国語/朝鮮語を用いた外国人参政権に反対する登壇(議案についての討論、動画v=WZI1RvIzOu4)は、知る人ぞ知る「名演説」である。
2020年11月24日(14時55分UTC +00:00)に彼がそれをツイートで自ら改めて取り上げた後、weibo(微博、中国時間25日https://weibo.com/3497843592/Jvvbreivw), bilibili動画(中国時間27日、https://www.bilibili.com/video/BV1Lz4y1k736)など多数の中国のウェブサイトに転載され、多くの中国人と中国に興味のある人々が初めて視聴したようである。
10年以上前の登壇の動画ではあるが、初めて見る人にはとても大きい衝撃がある(日本語以外の何かを日本の政治の舞台で発音していると分かる場合)。
その件で、彼は2020年11月30日のさいたま市議会でも「中国で動画が1000万回以上再生された、バズってる」とTwitterでの11月28日ツイート(https://twitter.com/no_saitama/status/1332674413007761408)と同じ趣旨を発言していた (v=f4MNqlmSlRg動画の1:45からの質問内容に含まれる)。

「中国人(都市部の漢民族や現代中華系移民を指すと思われる)はセンスあって時代サキドリだよね」と言いたげな人たちを見てきた私にとって、こういったことはかなり意外でもある。
フェイクニュースとしての虚偽を含んだ伝播が見られない点(環球時報、その他、中国メディアにあるていど報道されたわけだが一部分の誇張は見られた)で問題なかろう。
中国人らの反響には、リベラルなアメリカ人がよくいう「文化盗用 cultural appropriation」についての非難は無いと思われる。







起草日:2020年12月12日

3つのトピックはいずれも直ちに新型コロナウイルス感染症の世界的流行、危機に関わらないことも、面白い。
「間接的に、構造的に」関わるという話はしない。

米国を中心として世界の都市部で巻き起こったBLM運動と無関係そうな我が故郷・埼玉での「ボビー・オロゴンさん逮捕」や在日クルド人の話が、2020年7月1日の記事『無疲倦に至らんとする絵の練習記事 (2019年5月~2019年9月分)』に記される。
絵の練習記事でなぜその話題かというと、後書きで「当該記事執筆の間に視聴していた渋谷スクランブル交差点のライブ配信が保守政党の街宣とBLMデモ行進が合流した数時間以内に終了した」云々と記すところから始まり、BLMにしても埼玉に多く住むクルド人にしても、今年5~6月の渋谷に因縁があったからである。
https://masashi.doorblog.jp/archives/53999235.html

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よって、2019年5月12日からコメントを受け付けなくしました。
あしからず。

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