2014年12月14日日曜日

古語の動詞で「い+ぬ」や「え+り」の発音ってどんな意味を持つの??

11月30日付けで投稿した記事を12月14日追記したこと(後掲)に端を発した疑問を、勉強で解決。

「斯く語りき」や「斯く語りぬ」や「斯く語れり」はそれぞれどう違いがあるのか。
以前、某教団の会歌「時ぞ来たりぬ」を「時ぞ来たれり」と誤って覚えたこともある。
この「れり」と「りぬ」ではどのような差異を生ぜしめるのか。
後述の解説を見れば、なぜ誤って覚えてしまったかは仕方がないことといえる。

「りぬ」もとい「いぬ"inu"」の発音は「風立ちぬ」などにも見られることは有名だ。
多くの人は「立ちぬ」という見慣れない表現に戸惑ったことだろう。
それでは、動詞に追随する「いぬ"inu"」、「えり"eri"」とは如何なる意味をその品詞に修飾するのか詳しく的確に書こう。


検索スキルを懸命に駆使して調べたところ、明確に判明することとなる。
ここでは端的に違いを表すので、詳しく知りたい方は記事中部の出典欄を参照。
「いぬ」は「完了」を修飾し、「えり」はその「完了」に対して「継続」をも含むらしい。
「時ぞ~」をなぜ誤って覚えてしまったか、それは偏に「完了の意味を含める共通点を持ち、更なるニュアンスこそ異なるが類義であるため仕方がない」と結論付けられる。
更に言うと、「い」や「え」は動詞に連用形を付与("え"の場合已然形も)するから、「ぬ」や「り」がそれに追随する、そういう風に取るのが正しいようだった。

「時ぞ来たりぬ」や「風立ちぬ」をはじめとする「いぬ」は「時が来た」ことと「風が立った」ことを完了している意味を持つ。
その為、「斯く語りき」と「斯く語りぬ」は意味はほぼ一緒なのだが、「いき"iki"」「いぬ"inu"」自体の使用範囲には差があり、「いき」は動詞・助動詞まで、「いぬ」は動詞のみ。
また、「咲く」という動詞を例に取ると、「咲きき」と「咲きぬ」なら「き」が連なる前者だと違和感を覚えるため、個人の好みという差で「咲きぬ」を取りたくなる。
ここらへんの価値観で使い分けをすることもできるが、「語りき」と「語りぬ」なら前者の方が聞き馴染むことや理解がしやすいとは思う。
これらも、使い手の好みや聞き手に対する配慮という機微で使い分けることになる。

・・・「我、是の如く聞きき」って思い切っているよね。


【出典・参考サイト】

http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/intro/jodousi01.html#ab03
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13128104703


【詳細な記事背景】

でもまあ、「いぬ」の完了形の動詞が用いられてる名前で最も有名なのが、「風立ちぬ」だものね、現代では他にそもそも用法さえ知られないなら悲しいほど廃れた用法なのか。
また現代人、つい半年前の私もこの変化を知らなかった同類なのも悲しいことだ。
※古い用法だが、有名どころに「猛き者も終には滅びぬ」があるじゃないか!

この記事を書いたきっかけは冒頭にあるとおりだが、その過去記事はこちら。
http://lesbophilia.blogspot.jp/2014/11/blog-post_30.html
追記事項は「召喚詠唱」の段で、ラテン語の勉強をした最中に召喚詠唱追加を思い立ち、ラテン語の詠唱は聖歌の曲名が適任だったが、物足りない気持ちから日本語の前置きを付けようと考えて「輝きぬ」という言葉を別の言葉で検索した時に目に付いたからこれもその中に入れようとした。
その時、「輝きぬ・・・って、使い方はこの場合に相応しいのか?」と疑問に思い「時ぞ来たりぬ」や「風立ちぬ」などで知る「動詞連用形+ぬ」とは何なのか検索したのだ。
それで更なる疑問と共に、色々と学んで解決できたことが発端で記事を書いたのだった。

召喚詠唱「五濁悪世より離れ、寂光の園を築き給うた主の御稜威ぞ、此處に普く輝きぬ!」
"Veni Creator Spiritus!!"

「ぬしのみいつぞ ここにあまねく かがやきぬ」とは、7+7+5である。
こういった5文字 or 7文字のフレーズは和歌で応用できる。
このパートを川柳の五七五に無理やりすれば「ご威光ぞ ここに普く 輝けり」で良し。
※係助詞「ぞ」は最後が連体形でないといけない云々で「ぬ→ぬる」、「えり→える」が正しいという。「かがやきぬ」は字数的に「ひかりぬる」と訂正し、「輝けり」は「輝ける」と訂正するか・・・。

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