2014年12月7日日曜日

新学問「インターネット考古学」の提唱

私はネットで色々な情報を探す上で、かつては栄えていた掲示板など、人が集まる形式のサイトを見てはどこか哀愁がこみあげるのだ。
その中で一番、この記事に書きたいサイトがある。
そのサイトは最近まで私も投稿をしていたため、サイトそのものの名称とリンクなどを掲載するのは遠慮しておくが、どんな魅力があるか端的に綴る。

・2003~2005年まで続いたとあるサイトが潰れ、同趣旨の後継サイトを誰か作らないかと元住民が求め、アプリ制作兼サイト運営を趣味でしていたプログラマーに白羽の矢が立ち、複数の元住民の嘆願によって2006年1月に誕生した(2007年6月リニューアル)。
・サイトの趣旨は、とある携帯アプリによる「作品」の投稿である。
・前身となったその2005年没のサイトも同趣旨のアプリで作られた作品が共有されていたが、アプリごと消えたために、そのサイト創設者はアプリも同時に作った(というよりは、アプリあってのサイトである)。

これらの情報は全て、私が自分でネット上を検索するか、投稿された昔の情報を探し回るなどで何とか入手しまとめられた。
Wikiの類など、そんな沿革やら年表やらを詳らかに書いてるサイトは皆無だ。

このサイトは2010年頃になると同界隈では類を見ないほど栄えた。
投稿作品のジャンル(写真やイラストなど画像系かツクール的なゲームかDTM的な音楽か)というものを書くと、検索スキルが高い人に特定されるので控えておく。
2014年の今もサイトは存続しているものの、時代が時代なために嘗ての投稿量は見る影もなく、サイト管理人は2013年8月にサーバ維持費の不満を漏らしていた。
私はそのサイトに2014年5月から参入したわけで、元々2011年から静観していたが3年もの長い沈黙を破って新規参入した私という者は、斜陽のサイト情勢では珍しいだろう。
なお、当該サイト住民とはほとんど交流せずを徹し、今のところ一方的な作品の投稿が中心。



そのサイトに関する概要と私的な経験についてはここまでにしておく。
記事の題にある「インターネット考古学(またはウェブ考古学)」とは、このように今昔サイトの足跡を辿ってみて、サイトの歴史を知ったり感傷に耽るなどが主な目的。

ネット考古学のための便利なツールがある。
各検索エンジンはもちろん、"Internet Archive, Wayback Machine"である。
例えば、先述のサイトの前身であった「2003~2005年まで続いたとあるサイト」であっても、投稿作品の過去ログの残っている場合とそうでない場合とがあり、後者のために"Internet Archive, Wayback Machine"を用いる。
検索エンジン(Google等)利用は、私自身2011年から愛用しているマイナス検索や完全一致検索、"Allintitle"など様々な技を駆使するといった検索スキルを要することになる。

ネット考古学に類する既成概念の単語は、「ヲチ」などである。
「ヲチ」とは現在の変化を遠見で観察・記録をする行為を指すが、ネット考古学は極めて過去を遡る、文字通りに考古学を主体として研究するところが大きい。
他にも「サイト跡地」や「記念カキコ」などの概念も、ネット考古学に通じる(ネット遺産・Web遺跡)。

以上の説明で「面白い」と思えることに、ネット考古学という学問の価値がある。

個人的なネット考古学の経験なら、古くは2007年(私が小5の時)にもある。
当時、あるゲームの攻略サイトのオマケ的な雑談掲示板に入り浸ったが、このサイトは2006年8月誕生、誕生当初の住民は主に、同管理人経営の別攻略サイト付属掲示板である。
私はそこで様々なサイトを知った…YouTubeやFlashサイトを知り、YouTube経由でニコニコ動画を知り、Flash経由で2chを知る。
2008年にもなるとそこは激しい投稿量となり、人の多い時間帯にはレスが全体で1分に20回ほど付くこともあり、攻略サイト付属の雑談掲示板としては類を見ない夥しさだ。
YouTubeやニコニコ動画などに、そのサイトを題材にした動画を投稿する者も多くいた(これに限らず、この掲示板ネタの外部サイト進出を「内輪ネタは自重しろ」と問題視する住民もいたが)。
私のサイト住民歴なら断続的に欠けたこともしばしばあったし、2011年以降はほとんどアクセスしなくなった。
それから2013年12月に掲示板機能だけが閉ざされた。
原因は2010年以降、犯罪予告などの警察沙汰も多く、当該掲示板専用の荒らしツールなどでの連投横行が続いて管理人が溜まりかね、その時になってやっとである。
最後に残っていた住民は、同管理人運営の別攻略サイト付属掲示板が複数存在する内のどこかへ散らばっていったと推測する。

これもまたネット考古学的な経験であった。
私自身、ここ半年は何かの掲示板に書き込むことが激減し、月に1度あるかさえも疑わしいが、持続的にROM専でアクセスするところがある。
そこは雑談掲示板などの非建設的なやりとりを交わす場ではない。
2ch内のどこかの掲示板でもなく、「したらば」で取得されている。
この掲示板については、ネット考古学上の言及をしない。
※したらばの余談だが、小6の10月に自分で開設した掲示板があるが、当時の登録情報を忘れた今ではログイン不能(2015年2月の運営方針により閲覧不能)。



ここまで、私が例として「あるアプリによる作品を共有するサイト」と「あるゲーム攻略サイト付属掲示板」をあげたが、日本で有名な同種のサイトだと、ニコニコ動画や2chなどがある。
ご覧の諸君も、それらの有名なサイトの歴史を知りたくなるときがあるだろう。
いつ誕生したか、きっかけやその経緯、サイト創設者の姿と意思から、サイト黎明期の住人や閲覧者の傾向(個々の人物像・功績)や現在までのサイト人口推移。
こういった様々な要因を調べたりして感慨に浸る、感傷に耽る。
そんな魅力を私はこの学問に重ねている。

学問としての扱いだが、確かに学術性に欠くし、どうしても趣味の範疇でしかないかも。
ここまでの記述から、学問らしさをまとめると
1. 必要なスキル・・・調査ツールの把握(検索エンジン、"Internet Archive"など)と検索スキル(マイナス検索、完全一致検索、"Allintitle"などいわゆる演算子)
2. サイトへの興味から調査を通してサイトの歴史や住人・閲覧者の在り方を知ってサイトの真髄を学ぶ=古代文明へ思いを馳せる感情に結びつく
3. 多くのサイトのあゆみを理解したところで、インターネット全体の変化を捉え、果ては将来をも考える
4. こういったスキルや知識を糧に、別の方面でも使う(自分がサイトやブログを運営するにあたって発揮できるし、自分のみに収めず広く伝えるなど)

このように書けば学問らしさが伝わるでしょ。
学問的な優劣を問えば、既存の学問より学術性に乏しいし、この学問で権威を名乗れるなんて論外なところは否めないが、何よりもいいところはネットが普及した今の時代に合っていて、身近で普遍的、入りやすくて実用的。
悪く言い換えると学問じゃなく趣味や娯楽の性質が強いかもしれないが、私はこういった調査を真摯に行っているつもりだ。



学問の逸話(宗教的なニュアンスも含まれる)が既存記事に書かれている。
私がそれらサイトの足跡を辿り、思索した末の答えが以下の記事にまとまっている。
http://lesbophilia.blogspot.jp/2014/10/blog-post_13.html



後年の追記

考古学や地学・地質学というか、何らかの施設の建設に当たっても「地質調査」が行われる。
最新投稿日順(日付昇順)でブログ記事などのコンテンツが縦列表示横2列であっても改行して縦列になる)される姿は、まるで地層のようである。
その地層のうちの一部分の土を取り出せば、その時代の気候や生物の生息の形跡などが分かるし、比較的浅いものであれば人間の生活の足跡・文明の残滓(不自然な土器や金属の分子・成分が多く検出されるなど)が判明する。
これは、そのブログ記事や動画などのコンテンツのリンクをクリックして閲覧するようなものであり、こういった縦列表示やコンテンツの閲覧によって時代を感じ取ることができる。
さながら地質調査の、地層を見たり、土を検分することと同じである。
参照する例は当ブログの全記事リストもよいし、私の種々のYouTubeチャンネルの動画でもよい。

全記事リスト→http://lesbophilia.blogspot.jp/p/blog-page.html
YouTube音楽チャンネル動画(日付昇順)→http://www.youtube.com/user/SundarknessMusics/videos



より後年の追記

ネット考古学、ウェブ考古学 Internet Archaeology, Web-archaeology

古代インドの言語学者、パーニニ流「六合釈・複合語解釈」の一つ「依士釈・依主釈"Tatpuruṣa, Tatpurusha" = 格限定複合語(依存・従属複合語)"Determinative compound"
属格的な「インターネットに属する考古学(Archaeology of the internet)」
対格的な「インターネットを学問対象とする考古学(Archaeology that did for the internet)」
与格(為格)的な「インターネットに寄与する(インターネットの為に行われる)考古学(Archaeology for/to the internet)」
処格(於格)的な「インターネットという処における(インターネットに於いて行われる)考古学(Archaeology in the internet)」

屈折における格を想定して前後の語幹の関係性を捉える「格限定複合語(依存・従属複合語)"Determinative compound (Dependent compound)"」による複合語解釈である。
もし具格的な「インターネットを用いた考古学(Archaeology with internet)」とすれば、従来の考古学のためにインターネットという道具・手段を用いるという意味で取られる可能性がある。
また、処格的な「インターネットという処における考古学」であっても、「インターネットという処における考古学-の研究手段、公表状況」といった意味を付随して取られる可能性もある(あらゆる語句にはそれを形容詞化して再び名詞化するようなプロセスも考えられるから・・・人の用いよう)。
仮定名称の詳細な説明には、他者が余分に意味を介在させないための考慮も必要である。

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