2014年12月28日日曜日

戦局の急な終幕"Deus Ex Machina"とその伏線

ある小説を読んでいて、この表題にあたるシーンといえば、まずは「主人公がふとしたことから敵軍の5本指に入る強者と対峙していたが、歯が立たず、己の使える技で最も強力な『雷霆』の技を行使しても尚、傷一つどころか衣服への損傷さえ与えられない上に、その敵に一方的に弄ばれ、『慈悲』を口実に主人公と傍らの人を上級魔法で殺めようとした刹那、強力な第三者の気配に恐れ戦き、その敵は遁走する」シーンだ。

これについてはその伏線が未然に張られており、突如現れた第三者とは世界の魔力を監視する人間界筆頭の賢者であるが、このシーンよりずっと前に、敵自身の口でこう告げている。
「こちらが強力な魔法を使うと、厄介な方々に察知される」ということなのに、前言撤回のごとく慢心から上級魔法を振り翳そうとして、失敗したのであった。
なお、この戦闘の発端は、主人公ではなく「傍らの人」がこの敵の魔法から逃れてる際、バッタリとこの主人公に邂逅し、共に行動を始めたら行く先の移動魔法陣が作動して、別の戦場(敵曰く、戦場ならぬ「墓場」)へ飛ばされることになったのだ。



他のシーンだと「敵軍の幹部格の強者から剣の手合わせを申し入れられ、受けたのだが、全く太刀打ちできず、敵に本気を出すよう煽られて、禁忌の『赫灼』の力で闘気を漲らせて、腕が拮抗したところで第三者の介入がある。その者はその敵の忌んでいる(?)存在らしいが、その者には顔をも覆い尽くす重装備の敵を見ても誰か判らず、こんな巡り合わせで敵は遁走する」シーンだ。

このシーンは、実のところ「その者とその敵」が過去に何があったか、どういう関係だったかが未だ明かされてない上、その敵自体、その外見と同じく謎に包まれた存在のままだ。
この敵が戦線を離脱する際に、主人公はこんな半端な終わり方より、どうしても勝敗を決したかったが、それは叶わず力なく倒れた。
それはその「禁忌の『赫灼』の力」によって抑えられていた疲労感がどっと押し寄せたこと。
なお、この第三者様は、直前に主人公が訪れた店の店主なのだが、主人公が購入品等を放置しながら唐突に店を抜け出していったため、それを直接届けに来てこの戦場に躍り出た。
主人公が店を抜け出した理由は、この戦場となった場所に一旦戻らねばならぬ事情があったこと、並びにそこにその敵が居合わせたのも、逆に主人公と会いたかったからである。
これについてもそういう伏線が未然に張られていたことになる。



このように2例、表題の例を挙げておいた。
これを"Deus Ex Machina (デウス・エクス・マキナ)"という。
解決が困難そうな事態に、あたかも神が救いの手を差し伸べるような解決方法で収束させる。
端的に言えば「ありえない理不尽な切り上げ方」を指す手法だ。
同時に、表題の通り、2例ともそのデウス(ry発動に伏線を敷いている。

この小説だと、平常の世界であれば、1例目の「厄介な方=人間界筆頭の賢者」が高度な移動魔法を用いてその場に舞い降りるだけで、何でも解決できそうだね。
もちろん、それなら最初から敵軍そのものも壊滅できるが、やはりその既存の強者の他に、迷える下々の者たちの間で、新しい強者を生ませたいのだろうね。
尚且つ、「人間界筆頭」がみだりに動き回ると、敵軍も強い警戒を持つか、先に強力な一手を下されちゃうし、迂闊に動けないんだよね。
きっとそういう、表面張力にも似たような事情がある。

この小説では敵陣営が異次元空間にあるんじゃないかと考えてしまうのだが、表向きの根城は魔王の降臨と同時に隆起した地の最高峰、常人に到達不能な場所に居を構えている。
もちろんそれ以前に魔王なる者がどこに潜んでいたかというのは未だ不明。
先述の通り、その賢者サマなら難なく到達できそうだが、やはり踏み入ることが憚られるのか。
この小説はその他、そんなチート級キャラが敵味方問わず複数いるが、迂闊に出張るわけにもいかないようで、ひっそりとした動向が多い。
魔王がその気になればすぐ世界を滅ぼせるが、それをしない理由もあるし、その賢者はじめ「厄介な方々」が徒党を組んで挑めば、敵の軍勢を瓦解せしめられるが、それをしない。



何にせよ、現状は主人公らが窮地に陥っても死することはないと見られるが、まあもう2年以上更新されてない小説に、ストーリーの「現状」を問うのがそもそもの誤りかもしれない。
なので勝手に勉強に使わせてもらっているよ、という私だった。

言語訓練の観点でも、実に興味深い横文字も連発してるが、例えば英語はもちろん、ギリシャ語然としたもの、ラテン語、ドイツ語など・・・
これらは言語学的に分析したくなるし、実際に昨日12月27日は色々調べ漁っていた。
それらの用語は元ネタありきなのか、また、本人の言語知識による造語かという考察。
舞台により北欧やエジプトの神話由来の単語も頻出し、後世の言語との類似性(ギリシャ語なら古代エジプトの言語、ドイツ語なら北欧の古ノルド語などと似ている)も知ることが出来た。
今、判明している類似性は語彙"vocabulary"レベルなんだけどね。



オマケ 某小説作者の情報
・2012年10月21日の更新を最後に小説の更新を放置
・2013年7月31日にサイト付属の掲示板での返信を以て生存確認なし
・サイトと掲示板以外の活動サイト未確認(HP普及時代に栄えた登録制検索エンジンサイトやアクセスランキングサイトくらいしか見当たらず)



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