接頭辞 -ate に対するカタカナ表記で英語由来「エート /eɪ̯t/」、ドイツ語由来「アート /aːt/」のようなもの (acetate vs. Acetat) である。
この /eɪ̯t/ などと、スラッシュ記号で括った綴りは、国際音声記号 IPA (International Phonetic Alphabet) である。
接頭辞 -ate に対するカタカナ表記の実例は、具体的に、テレフタル酸とエチレングリコールの重合体"polyethylene terephthalate"に対する「ポリエチレンテレフタレート(英語より)」と「ポリエチレンテレフタラート(ドイツ語より)」である。
こういう英語よりにするものは、後年に何らかの形でその綴りにしたくなる原因がある。
"polyethylene"を、ドイツ語よりの「ポリエチレン(伝統的慣例上、ポリエティレンとはならない)」としながら、英語よりの「ポリエシレン」にしない。
そういうことはもはや、あまりに氾濫しており、気にしてもしかたがないし、有害性はあっても、ここでは問題視しない。
cf., 化合物名字訳基準 (日本化学会)
化学の関連ではないが、カタカナ語に「コングロメレート」と「コングロマリット」という2つの同根語がある。
英語における元の単語は"conglomerate"となるが、意味によって発音を分けているわけでなかった。
日本語で独特に異なるカタカナ表記を採用するものが、まだ -ate に属する単語群にあるということである。
目次
モル質量(通称:分子量)
ある過去記事に私は、混合物である天然の油の可燃性と、皮革製品ケアに用いる液体またはクリームに関しての脈絡で、私はモル質量を引き合いに出していたので、その部分を引用する:
(前略)
オレイン酸 C18H34O2 の単体は、そのトリグリセリドのような天然の油に含まれる実際の形として炭素原子数が3倍以上の数 C57H104O6 になり、その分のモル質量にもなる。
モル質量とは?単位が、中黒 ・ (掛け算、乗算記号で用いられやすい middle dot · ) とかスラッシュ / とかマイナス - (10のマイナス1乗として使う) だのと分かりづらい表記になっているが、以下のような原子の質量(標準原子量 standard atomic weight, or relative atomic mass)の足し算をしたものと思えばよろしい。
水 H2O の場合、1 + 1 + 16 = 18 と、モル質量 約18 g/mol (g·mol−1 とも表記する;ややこしいが英語版Wikipedia関連記事どうしでそういう異なる表記をしていて門外漢、一般人、初心者の理解不能を招く) となるように、化学式から、適当に算出される。
Atomic Weights and Isotopic Compositions for All Elements. http://physics.nist.gov/cgi-bin/Compositions/stand_alone.pl?ele=&ascii=html&isotype=some
Molar Mass Calculator for Chemists. https://www.chem4free.info/calculators/molarmass.htm
モル質量に関して、以前にも私は、2度、調べていた。
こんな簡単な足し算のことで、なぜ表記ゆれが多いかという疑問への答えや、実用的な説明がインターネット上に皆無であった、と扇情主義で物を言いたくもなる。
とりあえず、炭素原子数の多さとかでも、流動パラフィンの主成分の一つでありそうなヘキサデカン (hexadecane, セタン cetane) C16H34 などとは、段違いである。
よって、それら混合物や特定化合物の液相の状態では、表面張力などの力学的な物性でも違いがありそうであり、人間の皮膚や皮革への浸透のしやすさも違いがあろう。
引用文から抽出すると、「水のモル質量が約18だとしても、その無次元量単位の表記に g/mol だとか、 g·mol−1 だとかと同一サイト内で表記ゆれがあることに関して、なぜ世間に理由を説明するページが無いのか、およびその案内をなぜしないのか、門外漢には理解不能である。ただでさえ分子量だとか名称自体にも同種の問題が言われるのにややこしさを重ねている」という話である。
カルボン酸 vs. 炭酸
ドイツ語名称を使う伝統が前者で採用され、そこからこの日本語名称があるが、英語では"carboxylic acid"である。
これは特定の化学物質ではなく、総称であり、一般構造式が R−COOH となって置換基 R を伴う。
カタカナで同名の「カルボン酸」、英語で"carvonic acid"という特定物質(モノテルペンの一種であるカルボン carvone の酸)は有名でない。
一方、後者は英語の意味から"carbonic acid"と言っており、ドイツ語で"Kohlensäure"(Kohle は石炭を意味する単語) であるが、現時点の日本語版Wikipediaはどちらにしても英語名称のみを載せ、ドイツ語名称を載せない。
こういうわけなので、「炭酸飲料」「炭酸水」にある「炭酸」の意味は二酸化炭素 CO2 であっても、化学物質の方は異なるもの H2CO3 を指し、更にその英語名称をカタカナ化すると「カルボン酸」になりかねないという紛らわしさがある。
どうせならば前者は、「カルボキシ酸」とか「カルボキシル酸」などと呼ばれたほうが、文字数の長さなどを問題外に、複数言語との対照がしやすくあり、紛らわしくなくなる。
こういうことは、冒頭の接頭辞 -ate に対するカタカナ表記で英語由来「エート /eɪ̯t/」、ドイツ語由来「アート /aːt/」と同じく、日本語の化学分野をはじめ、多くの学問分野で紛らわしさや思考の煩雑さを引き起こす。
ただ高等教育などを出た人たちは基本的に話題にせず、もともと知っていて当たり前の立場で初学者向けの記事などを記しているとすれば、やはり「不親切」である。
「リカレント教育として大学だとかの入学するのではなく独学で学び直す一般人」は高校化学を学んでいたとしても、わけがわからず、「やっぱいいや、もうやめよう」と投げ出すに違いない。
ましてや、高校化学さえ学んでいないで独り学ぶ人には、無理であろう。
私は言語学や仏教学などの人文科学を科学として統合的に行い、思考の時間も足る以上、何ら問題は無いが、日本語世界を社会正義の立場で正したいので、忠告しよう。
見出しは、次のように改めることもできる:カルボン酸 vs. カルヴォン酸 vs. 炭酸 vs. 炭酸飲料の炭酸
酸解離定数
まず、こちらをご覧いただこう。
先ほどの「炭酸」という物質(二酸化炭素ではない)から、「酸解離定数」とやらの数値を確認する。
例1.
日本語版Wikipedia - 酸解離定数. oldid=83072909.
記された内容: 炭酸 (pKa2): 9.87 (水 = H2O溶媒)
; 原文では「pKa2」とイタリック体付与が欠けている。
その出典参照は「11.2 無機酸の酸解離定数、『化学便覧』、改訂5版、日本化学会、pp.II-332-333 ISBN 4-621-07341-9, 11.6 非水系の平衡定数、ibin、pp. 354–356より抜粋し一つの表に統合」とされた。
例2.
日本語版Wikipedia - 炭酸. oldid=85568741.
記された内容: 酸解離定数 pKa: 6.352 (pKa1)
その出典参照は不明であり、おそらく無出典である。
例3.
英語版Wikipedia - Carbonic acid. oldid=1047465768.
記された内容: NA
例4.
ドイツ語版Wikipedia - Kohlensäure. oldid=213641526
記された内容: pKS-Wert: 6,35[*], 10,33[*], 3,45 ±0,15 (berechnet über kinetisches Modell)[*], 3,6 (pKS1) bzw. 10,3 (pKS2)[*]
; 原文では、infobox既定パラメーターでなく記事で別に入力された値に「pKS1」などとイタリック体付与が欠けている。
その出典参照は[*]ごとに見られている。
ただし、
以上の4例は、数値のばらつき具合をはじめ、数値情報表示の欠如 (例3) もある。
また、溶媒が記載されないものは (例2, 4)、参照された出典くらいは明示されたいが、それも無い場合 (例2) がある。
このままじゃ「ペーハー」pH (水素イオン指数) リトマス試験紙よりも使えない。
他には、何の溶媒か不明で記されている例も見られた。
もし「何の溶媒か宣言しないでも、分かるよ」と言われても、実際、初心者や学術キャリア無き実務者(最終学歴で大卒学士号以下)はそんなのピンとこないから。
煽情主義(扇情主義)のようでも、「ウィキペディアつかえねー」と言おう。
英語版Wikipedia - Hydrogen peroxide. oldid=1048136914.
記された内容: Acidity (pKa): 11.75
その出典参照は不明であり、おそらく無出典である。
ね、いやになるでしょ。
だから、いくらメディアリテラシーや科学哲学「批判的思考、クリティカルシンキング」があったところで、それ以上に分かんなきゃ、やんなるっしょ。
Q10 温度係数
酵素 (enzyme) の反応速度の温度に関する曲線モデルである。
このQ10とは、直感的にユビキノン (ubiquinone, UB) とかとも言われるコエンザイムQ10 (coenzyme Q10, CoQ10; quinone にイソプレニル基10個がついた化合物 C59H90O4) を連想させてしまうが、関係ない。
では何か?「実験医学 2014年3月号 Vol.32 No.4」が出典だというページなどを参照されたい。
それらを参照した上で、この章のための説明をしよう。
「熱 (heat, temperature)」の数式で用いる記号(定数ではない、代数と言わない?)「Q」(quantity より;ラテン語で「どのくらい?いくら?」を意味する quantum, quando 疑問詞類:疑問副詞や疑問代名詞の派生語) が10度であるような状態、ということで「Q10」となる。
よって、数字部分を下付き文字で表記することが正確であるコエンザイムQ10とは関係が無い。
これも悪辣である。
注意書きくらいしていただかないと、私よりも理科系の学問を学んでいない人には、つまづきやすい状態である。
※なお、このキューテンまたはキュージューも、数字部分を下付き文字で表記すること Q10 が正確であるかのように、上のページ例からは読まれる。
それだから、Qというのが、熱力学をやっていないと、生化学ならば生化学でグルタミンだとかと思うのであろうし、紛らわしいであろう。
Wikipedia - "Q (disambiguation)" という曖昧さ回避の記事における"Science"節を参照されたい。
あまりにもQという記号への用例参照が多くある。
私と違って、無条件に「理科系の学問」や「理系」と言うような大雑把な区分は、学問の議論で通用しない。
私は正当な条件および、学問ではなく教育の脈絡でギリギリ通用する形に、先ほど、「私よりも理科系の学問を学んでいない人」と言った。
一リケー専門分野に拘泥していると、関係性が低い他リケーの分野たちの用語法から遠ざかるので、理解度の低さは隔たりが無くなる。
今更、私が語る話題でないので、こういうことは2019年5月16日の記事を参照されたい。
この章が何の分野についての説明なのかといえば、生化学 (biochemistry) どころか、化学反応速度論 (chemical kinetics) という、およそ一般人と「文科系と文化系専門家」の聞いたことがないものである。
起草日:2021年10月14日
もどかしい、ややこしいという形容動詞を使って、この件のことを英語でいう場合、"It's frustrating me", "It's confusing me"となる。
過去における、言語や音楽や化学や物理学や医学にとって博識のトマス・ヤングさんも全く呆れることであろう。
今回の記事も、特定UMIのAさんの雰囲気を醸し出したものであり、彼に由来するジョークもあるが、私の引用は検証可能な出典、事実が示されている。
引用源に引用された情報は参照しえないものが多いので、全てがその限りであるわけでない。
化学に限らず、多くの分野で、当記事に示されたようなわずらわしさ、表記ゆれ、矛盾などを見てきたので、解決方法は大概用意されており、それが多言語利用であるが、当然そこにも壁があった。
意思が高く、意志が固く、視野が広くてなおかつ理性的である私にしても、全く"beginner-friendly"と感じられない。
それと別の話になるが、似たような問題を示そう。
一般的な単位 (unit) は長さ (e.g., m, SI単位系以外では尺など)、広さ (e.g., m2, SI単位系以外では町など)、容量 (e.g., m3, L, SI単位系以外では畳など) といった次元 (dimension) を伴うものであるが、「無次元量」(dimensionless quantity) は n個(いっこ/ひとつ)、n歳(いっさい/ひとつ)、n回といった数を示す。
これは整数でも小数でもありうることが、文章題のような形で分かる: 「2人に6個ずつクッキーを渡すためには、クッキーが12個、必要だ」、「1個のホールケーキを2人の分、二等分にすると個数が2個になったけど、実際に1人あたりの食べる量は0.5個になるとも言えるね」。 この話のように、東アジアの言語で標準的に用いられる助数詞(josūshi, 特定ページは「数助詞」と記す;基数序数の序数 josū と紛らわしいことの回避にはそれもよいが)は、個数も対象になっている。
なお、インド・ヨーロッパ語族の言語、英語において、不可算名詞や複数形オンリー名詞に対して数詞を直接につけられない状況の回避として"a pair of jeans", "two pairs of shoes"などと表現するような文法は、助数詞そのものでないとされる。
助数詞は、定量的文脈の単位と区別しなければならないが、そういったことも認知的に助数詞
言語学、特に日本語の国語学で「無次元量」という言葉は、概念もろとも出なかろう。
余談:「1個のホールケーキを等しく2人に分ける」という発想が、ロマンティシストからの批判にさらされるであろう:2人で仲良くべちゃべちゃと食べればよいのに、合理的に、個人主義的に分けるならば、互いに真の、芯からの愛情は無く、別れる運命にある、と。
「エトフェンプロックス」とは?
炭素・酸素・水素のみで構成されている薬剤のため、人に優しい・環境に優しい・ニオイや刺激がありません。ああ、それじゃエタン (ethane), エタノール (ethanol), フェノール (phenol) などが含まれた化合物からの製品名かな。
—お部屋探し 某不動産仲介・管理会社
綴りは"ethophen..."だろうね。
おや?英語でサジェストが一個も出ないぞ。ほか、ギリシャ語的にありえても思いつき以外の何物でもない綴り"ethphen..."でも出ない、どういうことだ!
答えは"etofenprox"でした!ハァ?!
化学式を改めてみても、エタン部分とベンゼン環(フェン)部分が酸素で結合=エタノールとフェノールのエステル結合部分があるって一目でわかる。
やっぱ嫌になるね、推論は言語学としても化学としても正しいのに、テストで罰点を返されるばかりだ。
この場合は通俗的な綴りが採用されているとは。
おい三井化学!
今更だが、ピレスロイド (pyrethroid, pyrethroids) はなぜピレトリン (pyrethrin) を含まないのか。
シクロプロパン系とシクロペンタン系の差、やっぱ嫌になるね、非正規なものが多すぎて。
賃貸物件を探すだけでまた一苦労…、無関係なのに。
C25H28O3 □ |
私が不動産仲介業者に関わるなどしている「冬行動」に関する記事は、今後、公開される予定である。
「社会的弱者である程度が生活保護受給者よりも高い」という側面が、はっきりしているので、そういう方々の後学のためになればよいと思う。
本当に、誰からも感謝されないよね、私の活動ってものは。
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しかし、当ブログ開設以来5年間に一度もそのような利用がされませんでした (e.g. article-20170125, article-20170315, article-20190406)。
よって、2019年5月12日からコメントを受け付けなくしました。
あしからず。
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。