2019年11月7日木曜日

学問的な英語動詞のうち他動詞・自動詞がいずれもある単語の翻訳案

日本語的な複合動詞(梵語のnamas-√kṛやmanasi-√kṛのようなもの)を作ることが最も日本語に合うと思う。
以下は翻訳の試案と言うべきものであるから、諸君にしっくりくるか定かでないが、他の代案も用意してあるので「形式的な他動詞・自動詞区分」の考察のきっかけになるとよい。
以下に例示する単語は、たとえ1つの語形に多義的であっても例示する意味を「とある単一の定義"a certain definition"」に限定している。
「形式的な他動詞・自動詞区分」を考察する目的性の通り、他動詞と自動詞 (transitive and intransitive) を、別途、分けている。

「他動詞・自動詞がいずれもある」と表題に記したが、それは私が調査前に思い浮かべた単語のことであり、実際に調べてから辞書に自動詞が定義されないものに関しては打消し線 <strike> を施している。



to bias - 辞書: CALD英英OED英英Wiktionary英, Weblio英和

他動詞
~をバイアスあるものにする
日本語訳案1: ~をバイアスがける(バイアスがけする 漢字: がけ=懸けor掛け)
日本語訳案2: ~をバイアスに かける
日本語訳案3: ~を偏見がける(偏見がけする 漢字: がけ=懸けor掛け)
日本語訳案4: ~をバイアスる(冗談交じりではあるが縮約表現としては妥当)
日本語訳案5: ~を偏らせる

自動詞
日本語訳案1: バイアスがかる(バイアスがかりする 漢字: がかり=懸かりor掛かり)
日本語訳案2: バイアスが ある
日本語訳案3: 偏見がかる(偏見がかりする 漢字: がけ=懸かりor掛かり)
日本語訳案4: バイアスだ(バイアスである)
日本語訳案5: 偏る

例文
He bias it. (bias as transitive)
→Wiktionary英に"Our prejudices bias our views."(偏見は見解を偏らせる/バイアスがける) とある。任意の例文サイトでは"biased the results"(結果を偏らせた) というように数量的/統計的な結果 (quantitative/statistical result) に偏りを生じさせるものについて多く見られた。同じ例文サイトでは受動構文: "heavily biased"(重度にバイアスがけされた/偏らされた) も多く見られた。辞書がそうであったように、実際の文で自動詞の用法は無いかもしれない。
He bias it us. (bias as ditransitive)
He bias on it. (bias as intransitive)
→to biasに自動詞は無いものか?



to contrast - 辞書: CALD英英, OED英英Wiktionary英Weblio英和

他動詞
日本語訳案1: ~をコントラスト置きする
日本語訳案2: ~を対照的に する (日本語で同音異義語の対象・対称でないことに注意 not 対象・対称 homophones in Japanese)
日本語訳案3: ~を対置or対比させる (本質的にサ変動詞は自動詞・他動詞を区別しないがここでは形式的に使役形を選んで他動詞に用いる)

自動詞
日本語訳案1: コントラストに ある
日本語訳案2: 対照的に なるor対照的だ(対照的である)
日本語訳案3: 対置or対比する (本質的にサ変動詞は自動詞・他動詞を区別しないがここでは形式的に自動詞に用いる)

例文
He contrast it. (contrast as transitive)
→任意の例文サイトでは"contrast the approach"などの形で見られた。何か対照的にするとき、"contrast XX's approach with YY's approach"などと with が介する。
He contrast with it. (contrast as intransitive)
→任意の例文サイトでは"contrasting strongly with..."(○○と強く対照的である) などの形で見られた。ここで自動詞の補語は with による前置詞句である。



to relate - 辞書: CALD英英OED英英Wiktionary英Weblio英和

他動詞
日本語訳案1: 関連づける(関連づけする 漢字: づけ=付け)
日本語訳案2: ~を関連させる (本質的にサ変動詞は自動詞・他動詞を区別しないがここでは形式的に使役形を選んで他動詞に用いる)

自動詞
日本語訳案1: 関連づく(関連づきする 漢字: づき=付き)
日本語訳案2: ~に関連する (本質的にサ変動詞は自動詞・他動詞を区別しないがここでは形式的に使役形を選んで他動詞に用いる)

例文
n/a
(他動詞の時のX relates A to B.は受動態be related to = A is related to B.であることも示すか?)



テンプレート↓
to yyyy - 辞書: CALD英英OED英英Wiktionary英Weblio英和

N動詞
日本語訳案1:
日本語訳案2:
日本語訳案3:





起草日: 20191005

編集段階に、例文の欄で、動詞以外の単語について「具体的かつ可能な限り指示語を用いないよう修正」という注記をしていた。
その後、それを撤回して指示語を中心にして例文の基本形を書き(本文にそう用いた指示語は人称代名詞の系統。代数のようなA, B, X, Yなどでもよいと思ったがやめた)、補足事項として具体的な語句を伴う例文を付与した。
また、補足されている例文(retrieved 2019-10-18)を読めるサイトのリンクを貼るつもりでいたが、そのうちの1つはシステム上 不可能であったので、最終的に何も載せないでおいた。

ところで、インターネット上の出典の閲覧に関して"retrieved 2019-10-18"と用いられる"retrieve"(慣用カナ: リトリブ、レトリブ、リトリーブ、レトリーブ) という言葉についても、少しだけ記そう。
これは辞書的に「取り戻す・取り返す」という意味(語源的に接頭辞re- + 英語trouver, 同根語trope, ラテン語tropus, ギリシャ語τρόποςに相当する何らかの言葉で作られる言葉が中期フランス語から中英語に入ったという)が見られ、カタカナ語としては行為者名詞"retriever"が犬種の「○○・レトリバー(レトリーバー)」で知られる。
英語の論文などでは、インターネット上にある出典を閲覧した or 情報を取得した日を目的語にする意味の他動詞 (transitive) であり、過去分詞の語形を用いて出典のリストに用いる。
インターネット上の出典としてURLを書く際はコンマで区切るか、前置詞"from"で間接目的語 or 補語にする(補部を作る)。
普通の他動詞の感覚では、日付が取得されるよりもページまたはページ中の情報が取得されて日付は前置詞"on"などで間接目的語になる (retrieved an-information, on 2019-10-18) ように考えられるため、かなり不思議な語法と私は感じる。

インターネット上の出典の参照の日付を書きたいとき、"retrieved 2019-10-18"以外に"Accessed: 2019-10-18"や、人物 (author) の隣に日付だけを書く(カッコ・括弧でくくる)方法もある。
日付に関しては、識別可能な限り何の表記法(英語圏の場合アメリカ: October 18, 2019. イギリス: 18 October 2019.などで異なる)にしてもよい。
これらにはAPA, MLAなど色々な方式の説明 (1, 2, 3 ..."retrieved"を用いる例はAPA styleのみ) が世間にあるため、興味があれば各自で調べるとよい。

上記括弧内リンク1に関する注意点だが、APA style や MLA style と同列に、"Harvard style"と呼ばれる何か不明の方式が示されている。
関連性は不明だが、括弧を用いて本文で表記する参照方法をハーバード方式 Harvard referencing と呼ぶことについてさえ、ハーバード大学の公式サイト一ページで「公式な機関としての接点がないため、誤った呼び名です The "Harvard System" is something of a misnomer, as there is no official institutional connection.」とする (cf., Chernin氏1988年の文書 The "Harvard System": a mystery dispelled)。
APAやMLAやChicagoなどは公式にスタイルガイド本が出版されていてそれを基盤とするわけであり、この点からもハーバード式–ハーバード方式というものは同様のものとして存在しないし、「参照方法」の名称としても不正確であることになる。
そのリンク先のページなどでいう"Harvard style"の正体が何かについては、特定しない。


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