2014年11月12日水曜日

ギリシャ語の形態素・語根の研究と面白い話 "Greek Roots"

当ブログドメインの"Lesbophilia"は、私のような者ならすぐに意味を理解できるかもしれない。
無論、Lesboとはレズであり、フィリアは性愛なので、深い説明は省略。



↓面白い話
Pedophiliaの"Pedo"と、Wikipedia原型のEncyclopediaの"Pedia"はギリシャ語が由来となる語根"Paed"という共通の祖先(語幹、語根)を持つ。
前者はロリコン、後者は百科事典という意味が一般的だが、その意味がどう共通するかといえば、ペド=小児、フィリア=性愛、エンサイクロ=普通、ペディア=教育となり、ペドとペディアは小児や教育という僅かに通じた原義を示し、裏付ける。
そこで、ギリシャ語で転記すると、ペド(paedo)はΠαιδό (paido)で、ペディア(paedia)はΠαιδεία (paideia)となる。

一見なんの共通点もなさそうなペドフィリアとエンサイクロペディアという両単語は、ギリシャ語由来英語であり、「何とかオ何とかイア」の発音を含めた上に、ペドやペディアは本来共通の祖先を持っていたことにもなるという衝撃事実を知ることが出来た。
また、前者のPaedは接頭辞になり、後者のPaedは接尾辞になるという変化も窺い知れた。
ここでもう一点補足すれば、ギリシャ接頭辞は"o"がつく習性、ギリシャ接尾辞は"ia"が付く習性を知って頂きたい。
iaの場合はあくまで名詞を表したい場合のもので、形容詞は"ic"など、その時の用法にあわせて変化させる必要がある。
もちろん全てを"o"や"ia"の変化に適用させられるわけではないことも覚えねばならない。

そこで、当ブログドメインの"Lesbophilia (レスボフィリア?レズボフィリア?)"の話をすると、私は命名当初"Lesbophile"という、敢えてphiliaでなくphileという反骨をしてみたかったのだが、こちらはなぜか、2003年からドメイン取得済みで先客がおったために、敢え無く断念したのだ。
ちなみに、"Lesbo"は当然ギリシャ接頭辞だが、実はこれ単体で「レズ」を意味する名詞になる言語があり、それがフィンランド語だ。
おそらく他の言語にはないと思われるが、これを知るきっかけになったのが、フィンランドのネットを揺るがした幼女"Emmi Prp"ちゃんで、"Lesbo"というタイトルの動画を投稿していた。



※ここまで全文は11月10日に書いたのだが、12日になり更に多く学べた。
Philiaは、元の語根が"Phil"であるのは法則上明白だが、ギリシャ・ラテンのような学術的言語の今日に於ける用途は多岐に渡るもので、この語根"Phil"も漏れない。
それが、「哲学 "Philosophy"」である。
語根"Phil"とは本来「愛、友人」などの意味を持つ。
転じて接尾辞Philiaは「好き→性愛、性的倒錯」の意味を孕むようになった。
Philosophyの接頭辞Philoも同じく「好き」の意味を持つが、当初は「愛などの感情を学問にした」ことが理由かと思ったが、"Sophy"の語根"Soph"は「賢いこと」を表すので、「知を愛する、賢くなりたい」という方が実際には正しい。
また、"Phil"は先ほどの語根"Paed"と同じように、接頭辞は"o"がつく習性、接尾辞は"ia"が付く習性を唱えて適用できる作りになっている。
PhilとSophはギリシャ文字でφίλος(フィロス)とσοφός(ソフォス)と綴る。

語根"Soph"を"Sopho"と接頭辞で用いる例は見たことがない。
もちろん私がただ「寡聞にして知らない」だけかもしれないが、実際に無理やり調べても一般的に用いられる語はないようだ。
そこで自分の持つ知識から造語を捻り出してみると、"Sophophobia"が浮かぶ。
また、Philosophyの語順を並び替えて"Sophophilia"と書くことも出来る。
ここで、語順から察して"Sophophilia"こそPhiliaの慣例から「知識性愛=知を愛する」ことになるが、なぜ"Philosophy"の方が罷り通るのか。
これから鑑みてそれこそあべこべのようなのに。
実際Wikitionaryの"Sophophobia"を見ると"The fear of learning"学習への恐怖とある。
ならば"Sophophilia"も「知識性愛=知を愛する」ことになるのに、語順が逆の"Philosophy"が「知を愛する"The love of wisdom"」扱いになってるのは完全に狂ってる。

※2016年に追記すると、どうも"Miso-"という接頭辞が"Philosophy"における"Philo-"という用法と似て先に言う「あべこべ」のような効果がある。その接頭辞"Miso-"は、接尾辞"-phobe, phobia"と似た"Hatred of..."などの意味である。こういった複合語"compound"の構造について、私の浅学ではこれ以上触れない。



あまり関係のない話に変わるが、最後の雑談や豆知識と思えばいい。
Philia初めとするギリシャ語幹におけるPHなどの特殊な綴り方は、元となるギリシャ文字の転記の結果になる。
ラテン語系では、PHの発音がここでやっとFに変わる。
Fという文字の概念は、ギリシャ語時代に存在せず、相当する発音をPHが補っていた。
同時に、ギリシャ文字のローマナイゼーションでは"AE", "PH", "RH", "DY", "HY"は英語だと語末に付くのが普通だが、ギリシャ語のロマナゼは語頭にしばしば付けられていた(HydroやDysなどが著名だが、多言語では特異だろう)。

ところで、「ネクロファンタジア」という曲名に改めて感嘆しよう。
ギリシャ語根の性質を知ってか知らずかはともかく、2003年頃にして見事に踏襲されている。
個人的には"Necrophantasia"と"ph"で綴りたいが、一般的には"Necrofantasia"と"f"で綴られる。
それは前のボスキャラテーマ"Necro-Fantasy"の文字列の影響かもしれないが、あるいはもしZUN氏公式見解というなら、これに従わねばならないのであろう。


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